非喫煙者の間で肺癌罹患率が上昇 [医学一般の話題]

生涯にわたる非喫煙者の間で肺がんの罹患率が上昇していますが、医師の多くもこの事を認識していないとのこと。

王立医学協会誌では、イギリスの4つの公衆衛生当局者によって、「決して喫煙しない人の肺がん:隠れた病気」と題して、生涯の非喫煙者も肺癌の意識を高めるよう呼びかけている。

イギリスにおいて、毎年一度も喫煙したことのない約6000人が肺癌で死亡し、肺癌による死亡者全体の約 15% を占めている。非喫煙者の肺癌による死亡は、イギリスにおける癌関連死の第8位の原因であり、リンパ腫、白血病、卵巣癌、および子宮頸癌よりも死亡率が高い。これは、受動喫煙による交絡とは考えにくい。

最近の研究では、非喫煙者における肺癌は臨床的、病理学的、および生物学上の異なる特徴を有しており、非喫煙者の肺癌の大部分が小細胞肺癌に限定されている。

イギリスにおける、非喫煙者の肺癌の主な要因の推定値は、間接喫煙(〜15%)、職業性発癌物質の曝露(〜20.5%男性および4.3%女性)、屋外汚染(〜8%)、x-放射線の放射線(〜0.8%)とラドンの暴露(〜0.5%)。また、一度も喫煙したことのない女性は、生涯にわたり喫煙しない男性よりも肺がんの割合が高いと述べられている。

私は個人的に、大気中オゾン濃度の上昇、および職場環境中のオゾンへの暴露が要因として大きいと推測している(以前に紹介)。

出典文献
Lung cancer in never-smokers: a hidden disease
Bhopal A, et al
J Royal Soc Med 2019; DOI:10.1177/0141076819843654.
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