減量サプリメントに有毒物質が含まれていた [薬とサプリメントの問題]

ニュージャージー州の生後23か月の幼児が、母親が購入した減量サプリメントを摂取した直後に吐き気と嘔吐を発症して救急搬送された。重篤な心臓合併症を発症。

ECGの結果は、洞性徐脈、頻繁な心室性期外収縮、およびカルデノリド毒性と一致するSTセグメントを示し、重篤な心臓合併症を発症していた。

テストの結果、減量サプリメントとして販売されているエヴァニュートリションのメキシコ産テジョコートの根が含まれているはずの製品に、実際には潜在的に非常に毒性の高い黄色のキョウチクトウが含まれていることが判明した。

血清ジゴキシンアッセイでは0.5ng/Lのレベルが示され、非ジゴキシン強心配糖体との交差反応に起因すると解釈された。しかし、血清ジゴキシンアッセイは、ジゴキシン以外の強心配糖体の検出には信頼性がなく、検出されたジゴキシンレベルは、他の強心配糖体の血清レベルを正確に反映していないと指摘されている。夾竹桃には多くの種類のジギタリス配糖体が含まれているが、個別に検査することは、通常の病院ではできない。

この子供は、40 mgのジゴキシン特異的抗体フラグメント(FAB、ジゴキシンの過剰摂取に対する解毒剤)による治療を受け、ECGの結果と血圧は正常化した。 12時間後に再度ECGを行ったところ、再びカルデノリド毒性の証拠が示されたため、患者はFABの2回目の投与を受けてECG結果は正常に戻った。

キョウチクトウ(夾竹桃]、学名: Nerium oleander var. indicum)は、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木。庭木や街路樹に使われるが、猛毒がある。中でも、オレアンドリンの毒性は最も強く、青酸カリの致死量が150〜300mg/kgなのに対してオレアンドリンの致死量は0.30mg/kgと遥に強力。木の周りの土壌や、燃やして出た煙にも毒性があり、この煙を吸っただけでも死亡する。また、剪定などの際、枝の切り口からでる樹液に素手で触れるなどすると皮膚炎を起こす。毒成分は、枝、葉、花、実、根など全てに含まれており、中でも、葉に最も多い。また、有毒物質の量は植物の成熟時期によって異なり、開花時期がもっとも多いと言われている。

テジョコートが根含まれると表示され、減量サプリメントとしてオンラインで販売されている10製品を購入し、栄養補助食品に含まれる化学成分の分析を専門とするオレゴン州の研究所に送った。 研究室において、超高圧液体クロマトグラフィーと正確な質量分析が行われ、購入したサプリメントと民族植物学者によって入手および認証されたテジョコートの根を比較。その結果、10 の製品のうち 9 には黄色のキョウチクトウが含まれていることが判明し、テジョコートの根の証拠は認められなかった。

海外での夾竹桃による中毒の報告例ではそのほとんどが自殺目的で摂取されたもので、間違って食べて死亡した例の多くは牛で、人では、昔、フランスの大学生数人がキャンプで夾竹桃の枝を肉に指して焼いて食べて死亡した例がある。以前に私が調べた範囲では「徐脈」に至った例では全て死亡していた。

実は、私も夾竹桃によると思われる症状を経験している。私の場合は、量的に少なかったので徐脈ではなく頻脈でした。キャタツの上での枝切り中にノコギリかすと樹液が目に入ったのですが、降りるのが面倒ですぐに洗わなかったのです。その後洗ったのですが、その日の夜から強い頭痛が起き、やがて逼迫性頻脈と血圧が上昇(200mm以上)。目の粘膜から入ったと考えられる報告例を検索したのですが全て口からの摂取であり、私のようなケースは見つけることができませんでした。様子を見ていましたが症状が回復しなかったので、1週間ほど経過してから病院を受診。毒性分は1週間ほどで排出されるため、血液検査ではジゴキシン配糖体は陰性。しかし、心電図ではジゴキシンにる異常波形と血液検査でも心筋のダメージが示されていました。

その後、数年間3種類の降圧剤を服用していました。しかし、最近、副作用と推測される不整脈などの症状が現れたので降圧剤を中止(独断)しました。その結果、不整脈は徐々に現れなくなり血圧の上昇も見られなかったので薬を中止し、その後は病院へは行っていません。そもそも、この一件があるまで、40年近く検査をしたことがなく、役所から送られてくる、「健康診断の通知」にも一度も行ったことはありませんでした(因みに、世界の中で、健康診断を行っているのは日本だけ)。

FDAの規制にもかかわらず、栄養補助食品には潜在的に危険な物質が含まれていることがよくあると、研究者らは指摘しています。

追伸
お節介ながらひと言。日本人は減量のことを「ダイエット」と言ってますが、この文献のタイトルに“Weight Loss Supplement... ” と記されているように、減量はWeight Lossで、ダイエットは食餌のことです。

引用文献
Weight Loss Supplement Found to Contain Toxic Substance, CDC Says
— A toddler landed in the emergency department after consuming the product
by Jennifer Henderson, Enterprise & Investigative Writer, MedPage Today September 14, 2023

NSAIDsと高リスクのホルモン避妊薬の併用は静脈血栓塞栓症のリスクを増加する [医学一般の話題]

全国の生殖年齢の女性コホートにおいて、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が静脈血栓塞栓症の発症と正の関連性を示し、リスク増加の大きさはホルモン避妊薬の使用状況に依存することが判明。

併用使用のほとんどは、ホルモン避妊薬の普及者における偶発的な NSAID 使用として発生していた。ホルモン避妊薬を使用していない場合と比較して、NSAID使用と静脈血栓塞栓症との関連性は、高リスクのホルモン避妊薬を使用している女性でより強く、低リスクまたは無リスクのホルモン避妊薬を使用している女性ではより低かった。

参加者は、1996 年から 2017 年の間にデンマークに在住し、静脈または動脈の血栓イベント、癌、血栓増加症、子宮摘出術、両側卵巣摘出術、不妊手術、または不妊治療の病歴がない 15 ~ 49 歳の女性 (n=2, 029, 065)。

主な評価項目は 下肢深部静脈血栓症または肺塞栓症の初回退院診断。200 万人の女性を 2,100 万人年にわたって追跡調査したところ、8,710 件の静脈血栓塞栓症が発生。

NSAIDsの使用は非使用と比較して、ホルモン避妊薬非使用女性の静脈血栓塞栓症の調整後発生率比7.2(95%信頼区間6.0~8.5)、ホルモン避妊薬の使用女性は11.0(9.6~12.6)と関連。中リスクのホルモン避妊薬を使用している場合は 7.9 (5.9 ~ 10.6)、低リスクまたは無リスクのホルモン避妊薬を使用している場合は 4.5 (2.6 ~ 8.1) 。

NSAID 治療の最初の 1 週間における女性 100, 000 人あたりの静脈外血栓塞栓イベントの発生数を、NSAIDの非使用者と比較した場合、ホルモン避妊薬を非使用の女性では 4件(3 ~ 5 件)、ホルモン避妊薬使用女性では 23 件(19 ~ 27 件)。
中リスクのホルモン避妊薬を使用している人では11人(7〜15)、低リスクまたは無リスクのホルモン避妊薬を使用している人では3人(0〜5)。

エストロジェンとプロジェスチンを含むホルモン避妊薬の併用は、下肢深部静脈血栓症および肺塞栓症の危険因子であり、リスク増加の大きさはエストロジェンの用量とプロジェスチンの種類に依存することが示されています。プロジェスチンは、複数の凝固因子の遺伝子の転写を促進することによって凝固亢進を引き起こすことが知られています。凝固系に対するプロジェスチンの影響は複雑で、高用量で強力なプロジェスのみを避妊注射すると静脈血栓塞栓症のリスクは増加し、レボノルゲストレル放出子宮内デバイスを使用すると、検出可能な凝固低下と静脈血栓塞栓症リスクの低下が報告されています。

出典文献
Venous thromboembolism with use of hormonal contraception and non-steroidal anti-inflammatory drugs: nationwide cohort study.
Amani Meaidi, Annamaria Mascolo, Maurizio Sessa, Anne Pernille Toft-Petersen, et al.
BMJ 2023; 382 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2022-074450 (Published 06 September 2023)
Cite this as: BMJ 2023;382:e074450

駆出率保存型心不全の原因としての肥満 [PERSPECTIVE]

心不全は心ポンプ機能障害を基盤とし、神経体液因子の活性化、運動耐容能低下、不整脈、生命予後不良を主徴とする症候群であると定義されています。通常、心ポンプ機能障害は心収縮力の低下と考えがちですが、必ずしもそうではなく、拡張機能障害による心不全も存在します。

実際、心不全患者の半数以上が心臓のポンプ機能が正常であるにもかかわら発症します。しかし、日常診療では拡張機能を正確に評価することは、必ずしも容易ではないため、便宜上、このような病態を「収縮機能の保たれた心不全“Heart Failure with Preserved Ejection Fraction”,略名“HFpEF”」と呼んでいます。

息切れ、労作不耐症、疲労、むくみなどの症状に加え、この種の心不全に罹患しているほとんどの患者 (80%以上の患者) が過体重または肥満も抱えています。最近では、これらの患者において、肥満は単なる併存疾患であるだけではなく、この種の心不全を発症する根本的な原因である可能性が示唆されています。

つまり、肥満こそが原因であると考えられています。

従来、心臓専門医は心不全の患者を診たとき、心臓が問題の主な原因であると考えてしまうように慣らされてきました。しかし、そもそも肥満は複数の臓器系に影響を与える全身性疾患であり、心臓もその 1つに過ぎず肥満という全身性疾患の一部です。

医師が通常行う治療は下流への影響に対処することです。 たとえば、うっ血に対する治療薬は短期間は効果がありますが、肥満という根本的な問題に対処していないため、常に悪化し続けます。 睡眠時無呼吸症候群や心房細動なども同様です。下流への影響は治療しますが、根本原因には対処していません。つまり、最近まで、根本的な原因に対処するためのツールをあまり持っていませんでした。拡張不全の病態の評価は収縮不全に比べて難しく、治療法についてはまだ確立されていないのが現状です。

肥満の有病率が急速に増加すると、このタイプの心不全の有病率も増加することが明らかになってきました。 肥満と重要な器官内の脂肪組織の蓄積が、この種の心不全の発症と進行の最大の予測因子であることが実証されつつあります。

心臓、腎臓、肝臓などの内臓周囲の脂肪組織が増えると炎症も増加し、心臓の線維化や瘢痕組織の形成などの構造変化を引き起こします。また、脂肪や脂肪組織が増加すると血液量と血漿量が増加してうっ血し、高血圧を悪化させて心筋の肥厚を引き起こします。

最近、有意な体重減少をもたらす薬剤が出現しました。特定の国の96の臨床試験施設において、529人の患者を対象とした大規模な世界的臨床試験が実施され、多くの患者の体重が大幅に減少して心不全の症状が劇的に改善しました。

セマグルチドで治療を受けた患者は、心不全関連の症状と身体的制限が大幅に改善して運動機能が大幅に改善し、炎症が大幅に軽減されました。観察された改善は、このタイプの心不全に対するこれまでの薬物療法の中で最大でした。

セマグルチド(Semaglutide)は、2型糖尿病の治療および長期的な体重管理(減量薬)に使用される、ノボノルディスクが開発したGLP-1受容体作動薬です。商品名は、オゼンピック(注射薬)、リベルサス(経口薬)。この薬剤は、ヒト型グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)と同様に、インスリン分泌を増加させて糖代謝を高める作用があります。

インスリンの分泌を増やすために、SU(スルホニル尿素)薬で膵臓のβ細胞を刺激し続けているとその機能が低下してしまいます。しかし、このインクレチン関連薬は必要時しかインスリン分泌を刺激しないので、β細胞への負担が少なく、さらに、動物実験の段階ではβ細胞を増やす作用もあるようです。

心臓専門医は現在、駆出率保存型心不全(HFpEF)が肥満によって引き起こされる可能性があることを認識しています。「治療の意図」のこのエピソードは、肥満治療が HFpEF を予防できるという新しいパラダイムへの移行の始まりです。肥満の合併症に対処するには、肥満そのものを治療する必要があり、これは、共存条件としての肥満から、これらすべての合併症の根本原因として、治療介入の主要なターゲットとしての肥満への非常に重要な議論の変化です。

追伸

日米欧の3つの心不全学会によって、昨年合同で提唱された心不全の国際定義(universal definition)では、「器質的または機能的な心臓の異常を原因とする症候を呈し、Na利尿ペプチド上昇または肺・体うっ血の客観的エビデンスが認められる臨床症候群」とされています。

さらに追伸
セマグルチド (Ozempic、Wegovy) やチルゼパチド (Mounjaro) などの注射剤による体重減少は永遠に続くものではなく、平均1年強で「プラトー」に達します。これは、新しい GLP-1 受容体作動薬であっても同様です。

それは当然のことで、降圧剤を飲んでもさらに低血圧になることはなく、糖尿病薬で血糖値が無制限に低下することもありません。我々の体は、進化的に極端な状況から守られるようにできています。

臨床試験では、セマグルチド2.4mg/週で、60週目あたりから体重は徐々に減少し、体重の約10%から15%が減少しました。また、血圧とHBA1cに対するセマグルチドの効果はさらに早く頭打ちになったようです。

出典文献
Obesity and Heart Failure
N Engl J Med 2023; 389:e15
DOI: 10.1056/NEJMp2307349

引用文献
The GLP-1 Agonist Plateau No One's Talking About
— Weight stabilization is no surprise to specialists, but for patients it's more complicated
by Sophie Putka, Enterprise & Investigative Writer, MedPage Today September 22, 2023

ヒトの脳内から生きた回虫オフィダスカリスを摘出 [医学一般の話題]

オーストラリアのカーペットニシキヘビが終宿主である、回虫Ophidascaris robertsiによって引き起こされた、世界初のヒト神経幼虫の移動の症例が報告されている。

12か月前に好酸球増加症候群と診断され、免疫抑制状態にあった64歳の女性の脳から生きた回虫Ophidascaris robertsiが摘出された。

オーストラリアのニューサウスウェールズ州南東部出身の女性(64歳)は、3週間にわたる腹痛と下痢、さらに空咳と寝汗を訴えて2021年1月下旬に地元の病院に入院。

CT検査により、周囲のスリガラス状の変化を伴う多病巣性肺混濁と、肝臓および脾臓の病変が明らかになった。気管支肺胞洗浄では、悪性腫瘍や蠕虫を含む病原性微生物の証拠のない好酸球が30%。血清学的検査では線虫菌は陰性。自己免疫疾患のスクリーニング結果は陰性。原因不明の好酸球性肺炎と診断し、プレドニゾロン (25 mg/日) の服用を開始し部分的な症状の改善が見られた。

顕著な好酸球増加症は過敏性肺炎とは一致せず、血管壁損傷がないことから多発血管炎を伴う好酸球性肉芽腫症ではなかった。

3週間後、彼女はプレドニゾロンの投与中に再発する発熱と咳が続くため、三次病院に転院。 PBEC は 3.4 × 109 細胞/L、CRP は 68.2 mg/L。CT スキャンにより、持続性の肝臓および脾臓病変および移動性肺混濁が明らかになった。肺および肝臓の病変は、ポジティブエミッション断層撮影スキャンにて、18F-フルオロデオキシグルコースが多量に存在。 肺生検標本は好酸球性肺炎と一致したが、多発血管炎を伴う好酸球性肉芽腫症(EGPA)とは一致しなかった。細菌、真菌、マイコバクテリアの培養は陰性で、エキノコックス、ファシオラ、住血吸虫の抗体も検出されなかった。また、濃縮固定染色法では、糞便標本上の寄生虫は検出されなかった。

モノクローナル T 細胞受容体遺伝子の再構成を検出し、T 細胞による好酸球増加症候群 (HES) を示唆されたため、プレドニゾロン (50 mg/日) およびミコフェノール酸 (1 g 2x/日) による治療を始めた。さらに、彼女の渡航歴、偽陰性の線虫血清学的検査の可能性、および免疫抑制の増加のため、イベルメクチン(200 μg/kg 経口)を 2 日間連続で投与し、14 日後に再投与。

患者は3か月間、プレドニゾロン(7.5mg/日)と同じ用量のミコフェノール酸とメポリズマブの投与を続けていたところ、物忘れとうつ病が悪化した。脳磁気共鳴イメージングでは、右前頭葉の末梢に増強された 13 × 10 mm の病変が確認された。2022年6月に切開生検が行われ、病変内に紐状の構造物を発見して除去。それは生きた運動性の蠕虫 (長さ 80 mm、直径 1 mm) で、全周硬膜切開術と皮質切開術を実施したが他の蠕虫は発見されなかった。硬膜組織の組織病理学により、顕著な好酸球増加を伴う良性の組織化された炎症腔が明らかになった。医師達は、その特徴的な赤い色や生殖器系の欠如に基づいて、この蠕虫を暫定的にOphidascaris robertsiの第3期幼虫と特定した。

CTスキャンにより、肺および肝臓の病変は消失したが、脾臓の病変は変化していないことが明らかになった。 患者はイベルメクチン(200μg/kg/日)を2日間、アルベンダゾール(400mg 2×/日)を4週間投与された。 彼女は、10 週間にわたるデキサメタゾンの離脱コース (4 mg 2 回/日から開始) を受けましたが、他のすべての免疫抑制は中止された。 手術後 6 か月後 (デキサメタゾン中止後 3 か月後)、精神神経症状は改善したが依然として残っている。

オフィダスカリス種は間接的なライフサイクルを示す線虫で、旧世界と新世界のさまざまな属のヘビを終宿主としている。O. robertsi 線虫はオーストラリア原産で、終宿主はカーペットニシキヘビ (Morelia spilota)。 成虫の線虫はニシキヘビの食道と胃に生息して糞便中に卵を産む。卵はさまざまな小型哺乳類によって摂取され、幼虫が中間宿主として定着しし、幼虫は胸部および腹部の器官に移動する。ライフサイクルは、Python が感染した中間ホストを消費すると終了する。

O. robertsi 幼虫に感染したヒトは偶発的宿主であると考えらるが、Ophidascaris 種によるヒトへの感染はこれまでに報告されていない。この報告は、O. robertsi 感染によって引き起こされたヒト神経幼虫移動の初めての症例とのこと。

この症例の患者は、カーペットニシキヘビが生息する湖地域の近くに住んでいたが、ヘビとの直接の接触はなかった。しかし、料理に使用するために湖の周りから自生植物であるワリガルグリーン (Tetragonia tetragonioides) をよく集めていた。研究者達は、彼女が植物から直接、または手や厨房機器の汚染によって間接的に、O. robertsi の卵を誤って摂取したのではないかと推測している。

この事例は、人間と動物が密接に相互作用するにつれて人獣共通感染症のリスクが継続的に存在することを強調している。O. robertsi 線虫はオーストラリアの固有種ですが、他のオフィダスカリス種は他の場所でもヘビに感染しており、世界中で、ヒトへの感染例がさらに発生する可能性があることを示しています。気づいていないだけかも知れません。

出典文献
Human Neural Larva Migrans Caused by Ophidascaris robertsi Ascarid
Hossain ME, et al.
Emerging Infectious Diseases, 2023; DOI: 10.3201/eid2909.230351.