膝OA発症は滑膜炎・半月板損傷が先行する [膝OA]

変形性膝関節症(膝OA)の病態において、その軟骨損傷は症状やリスク増加と関連しないことは(HR 1.08、95%CI 0.69-1.68)以前より指摘されています。

軟骨における病理学的変化は、膝OAにおける開始事象であるとする一般的な概念にもかかわらず、これを支持する証拠が欠けています。実際、最近の研究は、初期の病原性プロセスとして半月板損傷、骨髄病変(BMLs)、および滑膜損傷が示唆されています。

この報告は、膝OA発症の48ヶ月前の355膝について、性別、年齢、および対照膝について1対1のマッチングによるケースコントロール研究で、MRIによって骨髄病変(BMLs)、軟骨損傷、半月板損傷、およびホッファの滑膜炎を検査し、条件付きロジスティック回帰分析によって評価しています。

発症リスクのハザード比(hazard ratio;HR)
ホッファの滑膜炎;HR1.76(95% confidence interval (95% CI) 1.18-2.64)
滲出性滑膜炎;HR1.81 [95% CI 1.18-2.78])
内側半月板損傷;HR 1.83 (95% CI 1.17-2.89) at P-2予測放射線OA発生率.
At P-1では。
内側 BMLs;HR 6.50(95% CI 2.27-18.62)でリスクは最高の6.5倍
滲出性滑膜炎;HR2.50 (95% CI 1.76-3.54)

尚、P -3およびP-4では統計的有意性はありませんでした。

膝OAの症状と病態および疾患の進行において、非軟骨性機能の役割を強調する結果となりました。軟骨はOAの痛みの原因になることはほとんどありません。これは、症状と放射線画像との不一致から、従来から指摘されていたことです。

出典文献
Frank W. Roemer1, C. Kent Kwoh, Michael J. Hannon, David J. Hunter, et al.
What Comes First- Multitissue Involvement Leading to Radiographic Osteoarthritis: Magnetic Resonance Imaging-Based Trajectory Analysis Over Four Years in the Osteoarthritis Initiative
American College of Rheumatology, 2015, Volume 67, Issue 8, pages 2085-2096,
Article first published online: 28 JUL 2015 DOI: 10.1002/art.39176

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