オピオイド依存患者の喘息罹患率は約2倍 [医学一般の話題]

ニューヨーク市の自治区の病院において、オピオイド依存患者のコホートにおける喘息罹患率は全国平均のほぼ2倍と報告されている。

オピオイド乱用/依存症(n = 1,977)を有する患者のうち、18%が喘息を患っていた。

また、オピオイド依存女性の25%が喘息を発症し、女性の喘息率の全国平均9.7%に比べて高率であった。

喘息で慢性疼痛状態を有する患者は、女性75%vs男性26%、喘息のない慢性疼痛状態を有する患者では64%vs 36%( Chi square analysis P<0.05)。

著者は、in vitro研究では、喘息に関連している免疫系において、オピオイドが2型ヘルパーT細胞反応を促進することを示唆していると述べている。

モルヒネのようなオピオイド薬はヒスタミンの放出を直接活性化するため、ヒスタミンによってアレルギー反応を引きお起こすため、喘息に関連する可能性があると推測。

しかし、臨床現場での喘息リスクに対するオピオイド使用の影響を評価している研究は混在し、喘息を有し、なおかつオピオイド薬を服用している患者をどのように管理するかについてのガイドラインは現時点ではないと述べている。

出典文献
Prevalence of Long Term Opioid Use in Patients with Asthma and Allergic Rhinitis
Naik R, et al.,
American Academy of Allergy Asthma & Immunology, 2019; Abstract 685.

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