帯状疱疹生ワクチン接種後10 年間の有効性: [医学一般の話題]

帯状疱疹生ワクチン接種後10 年間の有効性を評価した調査では、有効性は初年度の 67% (95% 信頼区間 65% ~ 69%) から 10 年後には 15% (5% ~ 24%) に低下しました。また、帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの有効性は、当初の83%(78%から87%)から10年後には 41% (17% から 59%) に低下しました。

2007 年 1 月 1 日から 2018 年 12 月 31 日まで、米国の統合医療提供システムである Kaiser Permanente 北カリフォルニアの電子医療記録を使用した現実世界のコホート研究。

1,505,647人のうち、507,444人(34%)が帯状疱疹生ワクチンを接種。75,135件の帯状疱疹発生例のうち、4,982人(7%)が帯状疱疹後神経痛を発症し、4,439人(6%)が眼性帯状疱疹を患い、556人(0.7%)が帯状疱疹で入院。

ワクチンの有効性は接種後 1 年目に最も高く、時間の経過とともに大幅に減少。

帯状疱疹に対するワクチンの有効性は、初年度の 67% (95% 信頼区間 65% ~ 69%) から 10 年後には 15% (5% ~ 24%) に低下。帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの有効性は、83% (78% から 87%)から10 年後には41% (17% から 59%) に低下。 眼性帯状疱疹に対するワクチンの有効性は、5 年から 8 年未満の間に 71% (63% から 76%) から 29% (18% から 39%) に低下。

帯状疱疹による入院に対するワクチンの有効性は、5 年から 8 年未満の間に 90% (67% から 97%) から 53% (25% から 70%) に低下。

すべての追跡期間を通じて、ワクチンの全体的な有効性は帯状疱疹に対して 46% (45% ~ 47%)、帯状疱疹後神経痛に対して 62% (59% ~ 65%)、帯状疱疹眼科に対して 45% (40% ~ 49%) 。
尚、帯状疱疹による入院には66%(55%~74%)が反対しました。

帯状疱疹生ワクチンは摂取当初は効果的で、その後は大幅に低下しましたが、接種後 10 年たってもある程度の予防効果は残っていました。10年後の帯状疱疹に対する防御力は低いものの、症状として重要な、帯状疱疹後神経痛に対する防御力は41%と比較的高かったと著者らは記しています。半分以下ではありますが。

出典文献
Nicola P Klein, Joan Bartlett, Bruce Fireman, Morgan A Marks, John Hansen, et al.
BMJ 2023; 383 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2023-076321 (Published 08 November 2023)
Cite this as: BMJ 2023;383:e076321