Social Mediaは子供の脳に深刻な悪影響を与える [医学一般の話題]

Social Mediaを頻繁にチェックする子供たちは、仲間からのフィードバックに過敏になり、ポジティブな電子的強化を渇望して画面に映る不承認を恐れ、喜びから恐怖に揺れ動いて病的な心理状態に陥る可能性がある。

機能的MRIの結果、Social Mediaを常習的に利用する人々は、Snapchatなどのプラットフォームにあまり注意を払わない人々と比べて脳活動が大きく異なることが示された。観察された違いは、扁桃体(感情を調節する大脳辺縁系の一部)、背外側前頭前皮質(注意の集中や意思決定などの実行機能に関連)、島皮質(感覚処理、自己認識、 社会的行動の感情的誘導)、および腹側線条体(脳の報酬系の一部)など、広範囲に及んでいた。

TikTokは、10代の脳にとって最も懸念される犯罪者かもしれない。 TikTokは、特定の感受性の高い十代の若者における心因性の疑似トゥレット症候群の一因となる可能性さえある。 トゥレット症候群は、不随意の異常な動き (運動チック) と不随意の言葉の爆発を特徴とする神経障害。

2021年、いくつかの名門小児病院の医師らは、精神的に脆弱な10代の少女の間でトゥレット病の感染が蔓延していることを確認した。 医師らは当初当惑していたが、調査の結果、ミュンヒハウゼン型の関連性が明らかになった。罹患した十代の若者のトゥレット病とTikTokの一気見(特にハッシュタグ#Tourettesが付いた動画で、数十億回視聴された)との間に高い関連性が見られた。

十代の若者たちがインスタグラムのフィードを見ると、脳内の報酬システムが活性化したと報告された。電子機器は、渇望や欲望に関係する脳内化学物質であるドーパミンの放出を刺激する可能性があります。 それは、砂糖ハイのような状態。また、夜間に電子メディアを使用する十代の若者は睡眠障害やうつ病の症状のリスクが高いと報告されている。

Facebookに依存している28人の若者(平均年齢20歳)の研究では、Social Mediaの使用に関して衝動的で自制心ができないとされ、MRI検査では、感情と記憶の形成に関与する領域である扁桃体の灰白質量の減少(萎縮)が明らかなった。

スマートフォン中毒は島皮質(心理的葛藤の際に活動する領域)と下側頭葉皮質(パターン、顔、物体の認識に関与する領域)の脳萎縮と関連していることが確認された。スマートフォン中毒は、共感、衝動制御、感情、意思決定に関連する領域である前帯状皮質の萎縮と脳活動の低下の両方と相関していた。

週に20時間以上ビデオゲームをプレイした十代の子供たちの脳のMRIスキャンによれば、薬物やアルコール中毒の人々の脳スキャンと類似していた。研究者たちは、過剰なスクリーン時間によって引き起こされる脳の変化は解剖学的なものであり、単なる心理的なものではなく、細胞レベルで起こっていると結論付けている。

動物実験は、特に新しい内容を学習する能力を損なうという点で、10代の脳が電子中毒の有害な影響を特に受けやすいという証拠を裏付けており、ペースの速い媒体に曝露された青年マウスは、曝露されていない若いマウスに比べて迷路の移動方法を学習するのに3倍の時間を要した。

良いニュースとしては、損傷が永続的ではない可能性があるということで、スクリーンタイムを減らすとこれらの症状の一部が軽減される場合もあうとのこと。ペンシルベニア大学の研究者らは、大学生の電子中毒によって引き起こされる心理的変化を調査したところ、わずか 3 週間、画面を見る時間を1日あたり30 分未満に制限した学生は孤独感や憂うつ感が少なくなったと報告されている。

追伸
「Social Media」をカタカナ表記しなかったのは、日本人のほとんどが「メディア」と言っていますが、これは間違いで、カタカナで書けば「ミーディア」だからです。しかし、その様に記しても意味が伝わるかどうかいつも迷っているため、英字表記にしました。

出典文献
I'm a Neurosurgeon. Social Media May Change Your Kid's Brain.
— TikTok and Instagram are among the worst
by Marc Arginteanu, MD October 21, 2023