サッカー選手は神経変性疾患のリスクが高い [医学一般の話題]

このコホート研究では、スウェーデンのトップのサッカー選手は、集団対照と比較して神経変性疾患のリスクが増加したと報告されている。

1924 年 8 月 1 日から 2019 年 12 月 31 日までの間に、スウェーデンの top Swedish divisionで少なくとも 1 試合をプレーした 7,386 人のサッカー選手のうち、適格となった6,007 人の選手 (510 人のゴールキーパー)を対象として、56,168 人のマッチしたコントロールと比較。

評価したのは、サッカー選手と対照群の神経変性疾患のリスクで、死亡診断書に記録された診断、入院および外来受診、または認知症の処方薬の使用であった。

2020 年 12 月 31 日までの追跡調査中に、6007 人のサッカー選手のうち 537 人 (8.9%) と 56,168 人のコントロールのうち 3,485 人 (6.2%) が神経変性疾患と診断された。神経変性疾患のリスクはサッカー選手の方が高く (ハザード比 [HR] 1.46 [95% CI 1.33–1.60])、アルツハイマー病やその他の認知症もサッカー選手が高かった(HR 1.62 [95% CI 1.47–1.78])。

神経変性疾患のリスクはoutfield playersがコントロールよりも高く (HR 1.50 [95% CI 1.36–1.65])、ゴールキーパーよりも高かった (HR 1.43 [1.03–1.99])。また、ゴールキーパーとコントロールでは差はなかった (HR 1.07 [0.78–1.47]) 。尚、サッカー選手の全死因死亡率は、コントロールよりもわずかに低かった(HR 0.95 [95% CI 0.91–0.99])。

サッカー選手は神経変性疾患のリスクが高く、サッカー協会がヘディングを減らすために導入した最近の対策の安全性に対して疑問が生じている、と記されている。

出典文献
Neurodegenerative disease among male elite football (soccer) players in Sweden: a cohort study
Peter Ueda, Björn Pasternak, Carl-Emil Lim, Martin Neovius, Manzur Kader, et al.
THE LANCET, Open AccessPublished:March 16, 2023
DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(23)00027-0