ドーパミン豆はパーキンソン病患者の治療を複雑化する [薬とサプリメントの問題]

「ドーパミン豆」として知られているMucuna(ムクナ)のサプリメントは、レボドパを高濃度含んでおり、いくつかのケースでは, パーキンソン病を治療するために使用される処方製剤よりも高いため、被害妄想や精神病を含む多種多様な重篤な副作用をもたらす可能性があると警告されている。

Mucuna pruriensサプリメントの15ブランドのレボドパ含有量は2mg〜241mgの範囲であり、高い物は、50〜250mgの用量の範囲である処方レボドパの最大用量に近い。これらのサプリメントに含まれる高用量のレボドパは、これらのサプリメントを使用しているパーキンソン病患者の管理に直接影響する。

アメリカでは、ムクナがどれほど一般的に使用されているかは不明だが、研究者らはパーキンソン病患者205人を対象とした最近の調査で、サプリメントを使用した人の7%がムクナ製品を服用していたことを発見した。

パーキンソン病以外では、ドーパミン作動性効果のために使用する人々は、「被害妄想や精神病を含む多種多様な重篤な副作用」を経験する可能性があると、コーエンはMedPage Todayに語った。

Mucuna種子抽出物について、認証されたサンプルは2.5%〜3.9%のレボドパを含んでいた。しかし、ラベルに特定の量の種子抽出物を記載したMucunaサプリメントのうち、レボドパの実際の量は推定量よりも228%〜2,186%多かった。

研究者らは、医薬品バージョンには末梢脱炭酸酵素阻害剤(レボドパからドーパミンへの変換を制限する)が含まれているため、Mucunaサプリメント中のレボドパの薬理学的効果を処方レボドパと直接比較することは不可能であると述べている。

コーエン氏はMedPage Todayに対し、これらのサプリメントに含まれるレボドパのどれだけが中枢神経系に入るかによって決まるため、予測が非常に難しい、と語っている。それでも、過剰なドーパミンは、激越、衝動制御障害、末梢神経障害、起立性低血圧を含む広範囲の有害作用につながる可能性がある。

ムクナのサプリメントは、ドーパミン効果によって、「気分、ワークアウト、集中力、エネルギーを助ける」としてAmazonで販売されている。日本においても同様に、アマゾンや楽天市場で多種多様なムクナ豆のパウダーやお茶が販売されている。

出典文献
Some 'Dopamine Bean' Supplements Show High Levels of Parkinson's Drug
— Levodopa found in doses similar to those in prescription meds
by Kristina Fiore, Director of Enterprise & Investigative Reporting, MedPage Today August 8, 2022

Primary Source
Levodopa content of Mucuna pruriens supplements in the NIH Dietary Supplement Label Database,
Pieter A. Cohen, Bharathi Avula, Kumar Katragunta, et al,
JAMA Neurol. Published online August 8, 2022. doi:10.1001/jamaneurol.2022.2184