出生前アルコール暴露は成人発症性神経因性疼痛のリスク要因となる [酒は百毒の長]

出生前アルコール暴露(PAE)による影響が成人期まで持続することは、これまでにも多くの臨床研究で報告されている。本研究では、PAEが脊髄星状細胞および末梢白血球を初回刺激して成人発症性神経因性疼痛に対する感受性を持続させることが示されている。

軽度の坐骨神経慢性狭窄傷害(CCI)がPAEラットにおいてのみ頑強なアロディニアを引き起こす。同時に、CCI適用後のPAEの病理学的効果は、アロディニアの増強および脊髄グリア活性の上昇によることを示している。

さらに、軽度のCCIでは脊髄星状細胞活性化は増加するが、ミクログリアは増加しないため、星状細胞がPAE誘発感覚プロセッシングに対する感受性に大きな役割を果たすことを示唆している。

PAE由来の白血球集団は、リンパ系器官および他の領域における白血球集団の分布と異なっている。また、 in vitroにおける白血球刺激後、PAEのみがTNF-αおよびIL-1βの産生を増加させるなど、抗原刺激に対する免疫応答が増大する。

CCI操作は4つのクロマチン縫合による。軽度のバージョンは1つの坐骨神経周囲を単一の縫合によってゆるく結紮している。脊髄神経膠免疫反応性を免疫組織化学を用いて調べ、白血球集団の特徴づけおよび機能的応答を、フローサイトメトリーおよび細胞刺激アッセイを用いて試験。さらに、炎症誘発性サイトカインであるインターロイキン-1β(IL-1β)および腫瘍壊死因子-α(TNF-α)を定量している。

最近の報告でも、妊娠中の母体におけるピーク血清エタノール平均レベルが60-80mg/dLの適度な飲酒が、免疫活性化または神経組織へダメージを与えて後期中枢神経系(CNS)機能不全を悪化させるという考えを支持している。

出典文献
Prenatal alcohol exposure is a risk factor for adult neuropathic pain via aberrant neuroimmune function
Joshua J. Sanchez, Shahani Noor, Suzy Davies, Daniel Savage, Erin D. MilliganE,
Journal of Neuroinflammation201714:254
https://doi.org/10.1186/s12974-017-1030-3

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