母体の肥満重症度は先天性奇形リスクに関連する [医学一般の話題]

乳児約100万人(1,243,957)を対象にした、スウェーデンにおけるコホート研究で、母体の肥満重症度(BMI)の増加とともに、すべての主要な先天性奇形と臓器特異的奇形のリスクが増加した。

妊娠初期における母胎の正常体重をBMI 18.5 to <25として、過体重BMI 25 to <30, 肥満クラスI :BMI 30 to <35), II :35 to <40, III:≥40 , 正常以下BMI <18.5を比較。

合計 43,550名(3.5%)が任意の主要な先天性奇形を有し、最も一般的なサブグループは先天性心欠陥(n = 20, 074; 1.6%)。

過体重:3.5% ;1.05 (95% confidence interval 1.02 to 1.07)
肥満クラスI:3.8% ;1.12 (1.08 to 1.15)
肥満クラスII:4.2% ;1.23 (1.17 to 1.30)
肥満クラスIII:4.7% ;1.37 (1.26 to 1.49)

先天性心奇形のリスク
過体重:1.05 (95% confidence interval 1.01 to 1.08)
肥満クラスⅠ:1.15 (1.09 to 1.20)
肥満クラスⅡ:1.26 (1.16 to 1.37)
肥満クラスⅢ:1.44 (1.27 to 1.63)

肥満重症度に関連する臓器特異的リスク比の増加が最大となったのは、神経系であった。

過体重:1.15 (95% confidence interval 1.00 to 1.31)
肥満クラスⅠ:1.44 (1.20 to 1.73)
肥満クラスⅡ:1.65 (1.23 to 2.21)
肥満クラスⅢ:1.88 (1.20 to 2.94)

肥満クラスⅢでは、神経系の奇形が88%増加した。

性器や消化器系の奇形も、肥満の母親の子供で増加した。

母体の肥満重症度によって、子供の主要な先天性奇形のリスクが増加する。これは、妊娠前においてBMIが正常範囲であることの重要性を意味している。妊娠初期の8週間以内に器官が発生するため、妊娠後の体重減少の予防効果は期待できない。従って、若い女性が受胎前に正常な体重を得ることを奨励するべきである、と述べられている。

出典文献
Risk of major congenital malformations in relation to maternal overweight and obesity severity: cohort study of 1.2 million singletons
Martina Persson, Eduardo Villamor, Björn Pasternak, et. al.,
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j2563 (Published 14 June 2017)
Cite this as: BMJ 2017;357:j2563

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