新鮮な農産物が耐性菌の感染源になる可能性 [医学一般の話題]

アメリカでは、年間に、約200万人が抗生物質耐性菌 (antibiotic resistant bacteria ;ARB)に感染しており、そのコストは350億ドル以上におよんでいる。現在、アメリカの農業では、生産中に国内における抗生物質使用量の約80%を使用している。新鮮な農産物は非加熱によって消費されるため殺菌の行程を欠いている。したがって、耐性菌による感染リスクが懸念される。

この研究は、消費者がこれらの食品を消費するときに暴露されるARBの量を推定し、その負荷を定量化することを目的としている。

乳製品のARBは18.3 CFU/gと低く、新鮮な農産物では、オーガニックで1.97 x 10の5乗 CFU/g、従来品は1.48 x 10の6乗 CFU/gで、乳製品の1000~10000倍高い。

また、乳製品は、耐性菌CHL (Acinetobacter)が0 cfu/gで陰性、CEF (Bacillus)2.78 x 10の2乗 cfu/gが最高であった。但し、1つのヨーグルトのサンプルで、6.6 x 10の6乗CFU/g のコリスチン耐性菌が検出された。

オーガニックまたは従来の生鮮農産物や乳製品は、サンフェルナンドバレーを通じて地元の食料品店から購入。大腸菌と黄色ブドウ球菌を抑制するために、最小限の抗生物質濃度を定義。

抵抗性を調べた抗生物質は、シプロフロキサシン(ciprofloxacin;CIP), テトラサイクリ(tetracycline ;TET), エリスロマイシン(erythromycin;ERY), クロラムフェニコール(chloramphenicol;CHL),ゲンタマイシン(gentamicin;GEN), アンピシリン(ampicillin;AMP), セフォタキシム(cefotaxime;CEF), コリスチン(colistin;COL)の8種類。

CFU:Colony forming unit

出典文献
Levels of antibiotic-resistant bacteria in ready-to-eat foods.
B. Sanchez, T. Bayangos, K. Rocha, A. Noguera, E. Luna, et al.,
ASM Microbe 2017; Abstract 67.

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