穀物源の食物線維摂取量は心筋梗塞後の死亡率低下に関連すると報告 [栄養の話題]

食物線維摂取量と心筋梗塞(MI)後の心血管死亡との関連性を調査した研究で、特に、穀物源の線維摂取量が多い者程死亡率が低下したと報告されています。

看護師の健康調査(121,700名の女性、30-55歳 in 1976)と、医療従事者追跡調査(51,529名の男性、 40-75歳 in 1986)を基にした、前向きコホート研究。登録時に心血管疾患、脳卒中および癌の既往が無く、その後追跡期間中に最初のMIを生き延びた2,258名の女性と1,840名の男性を対象に評価。

薬物使用、病歴、生活習慣因子を調整し、Cox比例ハザードモデルを使用して、食物線維の摂取量と全原因および心血管死亡との関連性を評価。女性は32年間、男性は22年間フォローアップ。

MI後の追跡期間の中央値は、男性9.0年、女性8.7年。フォローアップ中に、女性は682名が死亡し、心血管死は336名、男性は451名で心血管死は222名。

食習慣は、看護師の健康調査では1976~2006にかけて4年毎の食物摂取頻度調査票、医療従事者追跡調査では1986~2006までを評価。ハーバード食品成分データベースから食品の食物繊維含有量を推定。

MI後、繊維の摂取量が多い群を極端に少ない群と比較した、全原因死亡率のハザード比(HR)は0.75( 95% confidence interval 0.58 to 0.97)と有意に低く、穀物繊維の摂取量ではHR0.73(0.58 to 0.91)と、27%減少し、さらに、 MI後摂取量を増やした者ではHR 0.69(0.55 to 0.87)と、31%減少しました。

BMI、身体活動レベル、血糖負荷、アスピリンまたは脂質低下薬の使用によって有意な影響修飾は観察されませんでした。

尚、MI発症前の食物線維摂取量は(最高5分位対最低5分位比較)、全原因死亡率の pooled HR 1.17(0.92 to 1.48)、心血管死のHR1.10(0.77 to 1.55)と、逆にわずかに上昇していますが有意差はありません。

果実および豆類の線維では効果はなく、穀物源の線維のみ効果がありました。一般集団では、定期的に線維の豊富な全粒粉を消費した者たちの間で、冠状動脈性心臓病のリスクが20~40%低下することが観察されているようです。

出典文献
Shanshan Li, Alan Flint, et al.
Dietary fiber intake and mortality among survivors of myocardial infarction: prospective cohort study
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g2659 (Published 29 April 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g2659

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