安定狭心症へのステント留置術は無益と報告 [医学・医療への疑問]

総医療費3兆ドルを超えると言われるアメリカにおいて、あまりにも多くの血管形成術が行われています。狭窄動脈へのステント留置術は、安定した狭心症の心臓発作予防や寿命を延ばすことに関して、その90%は無益であると述べています(Aseem Malhotra, interventional cardiology specialist registrar, Royal Free Hospital, London)。

クリーブランドクリニックの心臓専門医スティーブは、“最悪のアメリカ医学American medicine at its worst,”と言っています。

急性冠症候群の管理における、経皮的冠動脈インターベンションの臨床的ベネフィット(PCI )は証明されているものの、安定狭心症のためのステント留置術に関しては無作為化試験では示されていません。

冠動脈疾患の異質性と複雑さを理解していない患者が抱く、未処理の狭窄症への恐怖などの感情や心理的な要求が、介入に向けての意思決定に影響を与えてしまうようです。ある研究では、安定狭心症患者の88%が血管形成術は心筋梗塞を防ぐと信じていました。また、心臓病専門医の43%は、それが患者の利益にはならないと思った場合でも、手術を行うと答えました。

安定した冠動脈疾患のためのステント留置術は、薬物療法上全く予後利点を持っていないこと、脳卒中、腎不全、さらには手足の切断等の重篤な合併症を引き起こす危険性が高いことを、臨床医と患者相互でより深く理解することが必要であると記されています。

Too much angioplasty
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5741 (Published 24 September 2013)
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