絡脈の構造 (少陰の大絡) [経絡とは]

 「少陰の大絡」の流注の説明は単独には記されていません。しかし、「衝脈」の流注の解釈によって、推測することは可能です。従いまして、「衝脈」の解説は絡脈の構造の後の「奇経」の稿で詳しく説明しますが、必要な部分についてを若干述べます。

流注
霊枢:動輸篇に、「衝脈ハ.十二経ノ海ナリ.少陰ノ大絡ト共ニ腎下ヨリ起ス.気街ニ出デ…」と記され、同じく逆順肥痩篇では、「衝脈ハ五臓六腑ノ海ナリ…其ノ下ルハ.少陰ノ大絡ニ注ギ.気街ニ出デ…」と、衝脈の記述の中に記されています。
 
流注解釈
 「衝脈の海」は大動脈を意味するものと推測しています。少陰の大絡が精巣静脈、卵巣静脈であるのに対し、衝脈では、これと並行する卵巣動脈を走行します。少陰の大絡は、腎臓と連絡してその下に位置する大きな絡脈で、気街に通ずるものとして推測しました。その部位と走行関係から、精巣静脈及び卵巣静脈に始まり(左側では腎静脈より直接出る)、膀胱静脈及び陰部静脈叢までを含むと考えられます。
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追伸
この記事の内容は、拙著「中医学の誤謬と詭弁:2015年1月6日初版」にも記されています。本書は市販していませんが、個人的に販売しています。購入方法は、カテゴリーの「出版のお知らせ」をご覧ください。
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