絡脈の構造 (手の少陽の絡脈) [経絡とは]

 この絡脈は、正経脈の前腕部分が後骨間神経であるのに対し、後前腕皮神経によって前腕後側皮下を走行させたものです。橈骨神経に入り中枢へと進み、途中で胸背神経の分枝によって側胸部へと走行させたのは、表裏関係にある心包経の胸腹壁静脈から胸背静脈の分布に対応させたものと考えられます。

流注
 「…(1)名ハ曰ク外関.腕ヲ去ルコト二寸.外ニ臂ヲ繞リ.(2)胸中ニ注ギ.心主ニ合ス…」

流注解釈  (1)尺骨神経背枝によって手背側へと出て、外関穴部位で後前腕皮神経へ連絡して、前腕後側を巡り、肘の上で橈骨神経本幹へ入り本経に合流する。(2)その後、腕神経叢部分で胸背神経に分枝して側胸部に分布し、心包経の胸腹壁静脈、胸背静脈と併走する。
 今回の絡脈の解釈で、心包経の前腕部分の流注を変更しました。従いまして、「医道の日本誌2000年10月号」での発表内容とは異なっています。このブログの三焦経の流注解釈は既に変更しましたが、念のため、その変更部分を述べておきます。

手の少陽三少経変更部分 
 (1)第4指への掌側指動脈の末端より、尺骨神経の固有掌側指神経を中枢へと向かい第4/5指間へ進み、(2)尺骨神経深枝の手根関節にゆく関節枝から後骨間神経の手根部への知覚枝へと連絡させ、橈骨・尺骨の背側骨間に出て後骨間神経を中枢へ進み、肘の部分で橈骨神経本幹へと入る。

手の少陽の絡脈流注図
img038.jpg

追伸

2015年1月6日に、「中医学の誤謬と詭弁」を出版しました。
本書は、臓腑経絡学説の本質について解説しています。市販はしていませんが、希望者には当ブログにて販売しています。詳しくは、カテゴリーの、「出版のお知らせ」をご覧ください。

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