絡脈の構造 (手の厥陰の絡脈) [経絡とは]

 この絡脈は、前腕前側中央を中心にした皮静脈を、内部の深静脈である手の厥陰心包経に対応させたものと思われます。起点となる「内関穴」は深部静脈との貫通静脈の出口付近ですが、この周辺には同様の貫通静脈は散在しています。

流注
 「…(1)名ハ曰ク内関.腕ヲ去ルコト二寸.両筋ノ間ニ出デ.経ニ循リ上ル.(2)心包ニ繋ブ…」

 流注解釈
 (1)腕上2寸の内関穴部分で貫通静脈にて深部静脈を出て、前腕正中皮静脈を本脈(前骨間静脈,深正中静脈)に沿って上り、尺側皮静脈を経て上腕静脈に合流し本脈へ入り、肋間静脈,奇静脈へと進み(2)心膜静脈で心包に結ぶ。 

 流注の記述には、内関穴より末梢への走行は記されていません。その理由として、皮静脈の走行が人によって全く異なるためとも考えられますが、真意は不明です。
 また、手掌側は機械的理由により手背側に比べて静脈は少なく細小です。しかし、手背側の皮静脈は、“陽”の領域のためか目立つ存在でありながら無視されています。

手の厥陰の絡脈の流注図
img031.jpg

追伸
本記事は、拙著「中医学の誤謬と詭弁:2015年1月出版」にも記されています。本書は、黄帝内経における臓腑経絡概念の本質を解読・検証したものです。市販はしていませんが、希望される方には、個人的に販売しています。申し込み方法は、カテゴリー「出版のお知らせ」をご覧ください。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0