絡脈の構造(手の太陽の絡脈) [経絡とは]

 この絡脈を想定した意義は、太陽小腸経が尺骨神経であるために生ずる、陽経の走行領域を逸脱してしまう矛盾を解消するためと思われます。

流注
「…(1)名ハ曰ク支正.腕ヲ上ルコト五寸.内ハ少陰ニ注グ.(2)其ノ別ハ.肘ヲ上リ.肩髃ニ絡ス.…」
 
流注解釈
 (1)太陽小腸経の本脈の流注で「支正穴(尺骨茎状突起より近位約8㎝)」より末梢は、この部位より分枝する尺骨神経手背枝で走行させています。逆に、絡脈はそのまま本幹である尺骨神経浅枝・深枝を、尺骨動脈(手の少陰心経)と併走(少陰に注ぐ)して走行します。(2)その別脈は、尺骨神経手背枝から本脈とは逆に中枢へ向かい、内側前腕皮神経へ連絡して肘を上り、内側上腕皮神経、上外側上腕皮神経、内側・後側鎖骨上神経へと連絡して肩髃穴に結びつきます。

 経絡図に描かれた、手の太陽小腸経の前腕・上腕部分の走行は、この絡脈の走行とほぼ一致します。


手の太陽の絡脈流注図
img028.jpg

追伸
本記事は、拙著「中医学の誤謬と詭弁:2015年1月出版」にも記されています。本書は、黄帝内経における臓腑経絡概念の本質を解読・検証したものです。市販はしておりませんが、希望される方には、個人的に販売しています。申し込み方法は、カテゴリー「出版のお知らせ」をご覧ください。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0