絡脈の構造 (手の陽明の絡脈) [経絡とは]

 この絡脈は、一般的な経絡図に示された“手の陽明大腸経”の走行にほぼ一致します。
橈骨神経浅枝や他の皮神経を、それらの交通や吻合によって繋いでいます。

流注
 「…(1)名ハ曰ク偏歴.腕ヲ去ルコト三寸.別レテ太陰ニ入ル.(2)其ノ別ハ.臂ニ上リ循リ.肩髃ニ乗ル.(3)曲頬ニ上リ歯ニ偏ス.(4)其ノ別ハ.耳ニ入リ.宗脈ニ合ス…」
語彙説明
 宗脈:恐らく、頭蓋内部の顔面神経と、これに交通・吻合する三叉神経や他の神経も含    めたものと推測される。“宗”の意味は、同族、主要な、正統など。

 流注解釈 (1)橈骨神経浅枝が腕橈骨筋の筋膜を貫いて皮下に出る部位の偏歴穴より、母指背側へ向かう分枝にて手の太陰の領域に入る。(2)その別脈は、橈骨神経浅枝と外側前腕皮神経との吻合より外側前腕皮神経を上り、下外側上腕皮神経,上外側上腕皮神経と連ねて上腕に沿って上り、さらに、(3)鎖骨上神経に連絡して肩に上り鎖骨上神経を中枢へ進み、大耳介神経に連絡して同神経の耳下腺枝及び顔面枝にて一方の歯にゆく。(4)その別脈は、顔面枝より、顔面神経の頬筋枝へと交通して茎乳突孔より顔面神経の中枢へと向かう(宗脈に合流する)。これを耳へ入ると見たか、顔面神経は耳介側頭神経と吻合し、耳介側頭神経は耳神経節と吻合し、さらに外耳道神経を分枝するので、これを観察した可能性も考えられる。 (図-2)

図-2 手の陽明の絡脈流注図
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追伸
本記事は、拙著「中医学の誤謬と詭弁:2015年1月出版」にも記されています。本書は、黄帝内経における臓腑経絡概念の本質を解読・検証したものです。市販はしておりませんが、希望される方には、個人的に販売しています。申し込み方法は、カテゴリー「出版のお知らせ」をご覧ください。

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