東京科学大学が英語を学内の「第2公用語」とする方針とのことだが [らくがき]

読売新聞オンライン(8/15, 5:00配信)によれば、東京工業大と東京医科歯科大が2024年度に統合して開設する「東京科学大」が、英語を学内の「第2公用語」とする方針であり、大学院や付属の研究機関では授業や研究だけでなく、これらを支えるスタッフも英語に対応できるようにするとのこと。

高度な研究や産学連携の中心となる大学院などでは、資金を拠出する企業探しや研究成果の特許出願を支える専門職員の育成が課題になっている。「世界最高水準」を目指す科学大では海外との共同研究も積極的に進める考えで、職員を含め英語を標準的に使えるようにする。外国籍の教員や留学生が支障なく学内で活動できるようにし、研究成果を高める狙いがある。職員の海外派遣も進める、とのこと。

益学長は「外国人材を招くのに『日本語だけしか使えない大学』はありえない」と強調。田中学長は「海外での業務経験を積んだ専門職がいることが、大学の国際化につながる」と述べた。

以前に、東大の学長が新入生を前に行った挨拶の中で、学内の全ての講義を英語にするべきであると述べたが、この意見に対しては批判が多かった。大学教育の現場では、国文学などを除けば、授業は全て英語で行うことがむしろ必須と言える。

しかし、以前にも当ブログで述べたが、公用語にするそれ以前に、「英語もどき」の間違った言葉の蔓延をどうにかすべきだ。

この国では、優秀であるはずの医師たちでさえ、医科学単語の発音を間違えて平気で使用している。これらの間違えは医学の専門書にも病名として堂々と掲載されている。例えば、「アトピー性皮膚炎」。「アトピー」という言葉は存在しないのであって、正しくは「エイトピック皮膚炎」。他にも、カテーテル(キャスター)、アンギオ(アンジオ)、ルーチン(ルチーン:routine)、チャンネル(チャネル),プラセボ(プラシーボ)、など、挙げれば切りが無い。また、医師でさえ減量を「ダイエット」と言っているが、「diet」は「食餌」であり、減量は「weight loss,」、減量するは 「reduce weight」。この様な間違いを英文の論文に書くのであろうか。

さらに、最近特に感じている違和感は、単語のイントネーションを全て平らにして話している異常で、最近では、テレビやラジオでもほとんどの人が同様でありこの傾向は酷くなっている。この調子で、英語のつもりになって話ても、日本人以外には全く通じない。

発音が全く違うのはローマ字が影響しているのであろうが、このローマ字も、大正時代に、某国学者が日本人が発音し易いように一部の読み方を変更してしまい、日本独自のものになってしまった。

ついでに言うと、奇妙な発音として、「D」をむきになって「デー」と発音するのは論外として、昔から、ほぼ全ての日本人が「Z」を「ゼット」と読む。正しくは、アメリカ英語ならば「ジィー」、イギリス英語ならば「ゼッド」である。また、昔から、神を「ゴット」と呼ぶが、正しくは「ゴード」であり、外国人には全く通じない。

先ずは、世間一般に媚びるのではなく、普段使っている英単語の全てを正しく発音することから始めるべきだと思う。