脊椎への機械的ストレスが黄色靭帯肥大の誘因となる [腰痛関連]

腰部脊柱管狭窄症(LSS)の主要な病理である、黄色靭帯(LF)肥大のメカニズムは不明。この研究は、長期融合ウサギモデルを使用して、黄色靭帯(LF)に対する機械的ストレスの経時的影響を明らかにすることを目的として実施された。

18週齢のオスのニュージーランド白ウサギをランダムに2グループに分けた。機械的ストレスグループは、L2–3およびL4–5の後外側癒合とL3–4上脊柱筋の切除、対照グループは外科的曝露のみとした。処置後16週と52週に、L3–4LFの軸方向標本を組織学的に評価した。血管および筋線維芽細胞の数について、α-平滑筋アクチン(α-SMA)を免疫組織化学的に評価した。

機械的ストレスグループでは、L3–4レベルのLFが、16週目と52週目に弾性線維の破壊と軟骨基質の生成を伴う肥大を示した。機械的ストレスは、時間依存的にLFを肥厚させ、弾性線維破壊および軟骨基質産生を誘発し、52週で最高レベルを示した。 α-SMAの免疫染色は、両方のグループで同様の血管数を示したが、筋線維芽細胞の割合は、対照グループよりも機械的ストレスグループで16週と52週で有意に高くなった。

本研究において、長期の機械的ストレスが筋線維芽細胞の増強を伴う進行性の弾性線維破壊、および軟骨基質産生を伴うLF肥大を引き起こすことが実証された。

出典文献
Long-term, Time-course Evaluation of Ligamentum Flavum Hypertrophy Induced by Mechanical Stress. An Experimental Animal Study
Hori, Yusuke, Suzuki, Akinobu, Hayashi, Kazunori, et al, (大阪市立大学)
SPINE: May 1, 2021 - Volume 46 - Issue 9 - p E520-E527
doi: 10.1097/BRS.0000000000003832

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