皮膚癌評価のためのスマートフォンアップは診断精度が低い [医学一般の話題]

成人の皮膚癌リスクを評価するための、アルゴリズムベースのスマートフォンアプリケーション(略“apps” 世界の中で、日本人だけが「アプリ」と言っている。)の診断精度研究の体系的レビューによれば、黒色腫または他の皮膚癌のすべての症例を検出するための頼りとはならず、CEマーキングを授与するための現在の規制プロセスは、一般の人々に十分な保護を提供していないと報告されている。

WHOは、毎年200万~300万の皮膚癌が世界中で発生し、その80%が基底細胞癌、16%が皮膚癌であると推定している。その80%は基底細胞癌、16%は皮膚扁平上皮癌、4%は黒色腫(約130,000)で、22018年までに287,723に上昇すると推定されている。

5年生存率は、皮膚癌死亡の75%に対して、早期に同定されれば黒色腫では91〜95%と高く、早期発見と治療が生存を改善する鍵となる。

皮膚癌スマートフォンアップは、皮膚癌を心配する人々が医師の診察を受けるべきかの判断のための支援となる技術的アプローチを提供するもので、豊富な「スキンアップ」が開発されている(1011年から2017年の間に235)。一部の皮膚癌アップは、スマートフォンのカメラからレビューのために専門家に画像を転送することによって動作するもので、これは本質的に画像ベースのテレ皮膚科学診断と言える。しかし、関心が高まっているのは、病変の画像を皮膚癌(通常は黒色腫)のリスクが高いか低いかにカタログ化して分類する作り付けのアルゴリズム(またはAI)を使用するスマートフォンアップ。

アルゴリズムベースのスマートフォンアップの体系的なレビューでは、皮膚病変のリスク層化のために、現在、様々な地域でダウンロードできるのは(SkinVision)と(SkinScan)の2つ。

しかしFDAは、現在のアップは実装をサポートするための十分な証拠を提供しておらず、患者にリスクをもたらす可能性があることを指摘している。

本調査には、6つの異なる識別可能なスマートフォンアップを評価した9つの研究(n=725病変)が含まれ、病理学またはフォローアップを用いて3人の専門家によって検証(n=407病変)されている。

SkinScanは15個の病変(5つの黒色腫)の単一の研究で、低リスクカテゴリーは0%、高リスクカテゴリーで20%、対応する特異度は100%および60%。

SkinVisionアップは、色素性病変(n = 144、26黒色腫)の感度は73%(95%信頼区間52%から88%)と低い。さらに、色素性および非色素性病変(n = 108、35の悪性または前悪性の病変)に適用した場合には、わずか26%(12%から43%)で、論外。

何れも、使用に値するレベルとは言えない。

出典文献
Algorithm based smartphone apps to assess risk of skin cancer in adults: systematic review of diagnostic accuracy studies
Karoline Freeman, methodologist1, Jacqueline Dinnes,
BMJ 2020; 368 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m127 (Published 10 February 2020)
Cite this as: BMJ 2020;368:m127

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