慢性神経因性疼痛は脳内のオピオイド受容体の可用性を減少させる [医学一般の話題]

慢性疼痛によって、線条体と皮質におけるオピオイド受容体の可用性が減少することが示されている。

これまでにも、陽電子放射断層撮影 (PET) などによる慢性疼痛条件の様々な研究によって、同様の結果が示されていた。

健康な被験者の急性疼痛は脳内の内因性オピオイドレベルを高める。しかし、神経損傷後の脊髄で観察されるように、疼痛および疼痛治療のいずれかがオピオイド受容体数を減少させる。可用性の低下は、オピオイド発現ニューロン数が少ないことに起因する可能性があり、灰白質の減少はヒト慢性疼痛患者および神経損傷後のラットにおいて発生する。

Chronic neuropathic pain reduces opioid receptor availability with associated anhedonia in rat
Thompson, Scott J.a,b; Pitcher, Mark H.a,*; Stone, Laura S.b; Tarum, Farida; Niu, Gangc; Chen, Xiaoyuanc; Kiesewetter, Dale O.c; Schweinhardt, Petrab; Bushnell, M. Catherinea
PAIN: September 2018 - Volume 159 - Issue 9 - p 1856–1866
doi: 10.1097/j.pain.0000000000001282


神経因性疼痛は、しばしば末梢神経への損傷に起因する慢性的な疾患で、末梢感覚ニューロンのオピオイド受容体の活性化によって、中枢神経系への副作用なしで痛みを減衰させることができる。

軸索損傷の部位におけるμ-オピオイド受容体の活性化は、痛みを伴う神経障害の制御のための有望な標的となるかもしれない。

μ-Opioid Receptor Antibody Reveals Tissue-Dependent Specific Staining and Increased Neuronal μ-Receptor Immunoreactivity at the Injured Nerve Trunk in Mice
Yvonne Schmidt, Claire Gavériaux-Ruff, Halina Machelska,
PLoS One. 2013; 8(11): e79099.

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