ドライアイにオメガ3脂肪酸は効果無し [薬とサプリメントの問題]

ドライアイは、眼の不快感および視覚障害を特徴とする疾患で、生活の質を低下させる。多くの臨床医は、n-3脂肪酸(オメガ3脂肪酸)のサプリメントを推奨しているようだ。

しかし、OSDIスコアの平均変化に活性サプリメント群とプラシーボ群で有意差はなかった。さらに、結膜染色スコア、および角膜染色スコアも、ベースラインに比べて有意な変化は認められなかった。

この試験は、27臨床施設における多施設二重盲検臨床試験。923名のドライアイ患者から、適格した349名を無作為に、プラシーボ群(オリーブオイル)と、活性サプリメント群EPA2000mg、DHA1000mgに分けて毎日服用させ、1年間観察したもの。

主要転帰は、眼球表面疾患指数(OSDI;スコア0〜100、スコアが高いほど症状の重症度が高い)のベースラインからの平均変化(6および12ヶ月)。二次転帰は、結膜染色スコア(0〜6の範囲)、および角膜染色スコア(0〜15の範囲)の眼球当たりの平均変化。眼球表面のより深刻な損傷を示す高いスコア、ならびに涙液分裂時間(涙液膜の瞬きと隙間との間の秒数)およびシルマー試験(下まぶたに置かれた紙片の濡れの長さ:より低い値はより重度の徴候を示す)の結果で評価。

OSDIスコアの平均変化は、活性サプリメント群 −13.9ポイント、プラシーボ群−12.5ポイントで有意差は無かった。欠損データの補完後変化の平均差-1.9点(95% confidence interval [CI], −5.0 to 1.1; P=0.21)で、有意差無し。.

二次転帰も、ベースラインから12ヶ月の平均変化は、結膜染色スコアの変化の平均差は0.0ポイント(mean difference in change, 0.0 points; 95% CI, −0.2 to 0.1)。角膜染色スコアは0.1ポイント(0.1 point; 95% CI, −0.2 to 0.4)、涙液分裂時間0.2秒(95% CI, −0.1 to 0.5)、Schirmer’s test 0.0 mm(95% CI, −0.8 to 0.9)で、何れも有意差無し。

12ヶ月時点で、赤血球中のn-3脂肪酸のレベルから、活性サプリメント群における治療への遵守率は85.2%であった。有害事象の割合も2群で同様。

出典文献
n−3 Fatty Acid Supplementation for the Treatment of Dry Eye Disease
N Engl J Med 2018; 378:1681-1690
DOI: 10.1056/NEJMoa1709691

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。