Ⅰ型コラーゲンのブロックがアストロサイト瘢痕形成を抑制して神経回復を促進する [医学一般の話題]

脊髄損傷後、Ⅰ型コラーゲンは反応性アストロサイトと相互作用し、テグ-n-カドヘリン経路を介してアストロ瘢痕形成を誘発して軸索の再生や機能の回復を阻害する。1型コラーゲンをブロックしてこの相互作用を阻害すると、アストロサイト瘢痕の形成が抑制され、軸索の再生および機能の回復が促進されたと報告されている。

中枢神経の損傷によって、正常なアストロサイトが反応性の瘢痕形成アストロサイトに変化して軸索の再生や機能の回復を阻害する。この反応性アストログリオーシスと呼ばれる表現型の変化は一方向性で不可逆的であると長く考えられてきた。

しかしながら、原 正光・岡田誠司らの研究によって (九州大学大学院医学研究院 整形外科学分野)、中枢神経損傷の治療における新たな方向性が示唆された。

出典文献
Interaction of reactive astrocytes with type I collagen induces astrocytic scar formation through the integrin-N-cadherin pathway after spinal cord injury.
Masamitsu Hara, Kazu Kobayakawa, Yasuyuki Ohkawa, Hiromi Kumamaru, Kazuya Yokota, Takeyuki Saito, Ken Kijima, Shingo Yoshizaki, Katsumi Harimaya, Yasuharu Nakashima, & Seiji Okada
Nature Medicine, DOI: 10.1038/nm.4354

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