アルツハイマー病の保護因子とは [医学一般の話題]

アミロイドおよびアルツハイマー病(AD)の神経変性に影響を与える因子と保護因子は異なっている。

何故、アルツハイマー病に成る人と成らない人がいるのか。

メイヨークリニックにおける、70から90歳(平均年齢80歳、女性45%)の942名を対象にした、MRIおよびPittsburgh compound B-PETスキャンによる前向き調査。

人口動態、 ApoE、知的集積度、中年期および後期における危険因子 (身体的非活動性、肥満、喫煙、糖尿病、高血圧、および脂質)、心臓と代謝条件などの予測因子について評価し、多変量線形回帰モデルを用いてアミロイドおよびADパターン神経の保護因子を同定。

85歳以上のコホートのサブサンプルを使用し、Cohen d–based 効果サイズによって、非ADの老化に貢献する予測変数の量的強度を推定。

高年齢、女性、およびApoEのような既知の危険因子は別として、唯一、中年期の脂質はアミロイド沈着に関連付けられていた。また、中年期の肥満、喫煙、糖尿病、高血圧、および心臓と代謝の状態は神経変性に関係していた。

中年期の脂質とアミロイド沈着との関連付けは、他の研究と一致している。本研究では、コレステロールがアミロイドを介してアルツハイマー病の病因に重要な役割を果たしていることを示唆している。

教養の程度は、アミロイド沈着や神経変性の有意な予測とはならなかった。

85歳以上のコホートにおける“Cohen d”による推定では、非ADの老化を予測するには、仕事スコアと中年期高血圧を除く、いくつかの変数に弱~中程度の効果 (効果サイズ > 0.2) が認められた。

特に、明確な保護因子を突き止めた訳ではない。

出典文献
Evaluation of Amyloid Protective Factors and Alzheimer Disease Neurodegeneration Protective Factors in Elderly Individuals
Prashanthi Vemuri, David S. Knopman, Timothy G. Lesnick, et al.,
JAMA Neurol. Published online April 17, 2017. doi:10.1001/jamaneurol.2017.0244
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