糖尿病患者は心血管疾患による死亡が大幅に少ない [医学・医療への疑問]

糖尿病患者の心血管疾患による死亡率は健康者と比べて大幅に低く、特に、1型糖尿病では顕著に減少することが報告されている。
(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE;世界4大医学雑誌の1つ)

この報告は、1998から2012年までと2014年までフォローされた、スウェーデン国立糖尿病登録患者を対象にした研究結果によるもの。

心血管イベントの傾向は、cox 回帰と標準化された発生率で推計。コントロールは、一般から無作為に選出し、患者ごとに、年齢、性別、住居地域によってマッチング。

結果

1型の糖尿病患者とコントロールとの比較(sentinel outcomes per 10,000 person-years)

・全原因死亡率: −31.4 /1万人/年(95% confidence interval [CI], −56.1 to −6.7)
・心血管疾患による死亡:−26.0 (95% CI, −42.6 to −9.4)
・冠状動脈性心臓疾患による死亡: −21.7 (95% CI, −37.1 to −6.4)
・心血管疾患のための入院:−45.7 (95% CI, −71.4 to −20.1)

2型糖尿病患者の絶対変化

・全原因死亡率:−69.6 (95% CI, −95.9 to −43.2)
・心血管疾患死亡率: −110.0 (95% CI, −128.9 to −91.1)
・冠状動脈性心臓疾患による死亡:−91.9 (95% CI, −108.9 to −75.0)
・心血管疾患による入院:−203.6 (95% CI, −230.9 to −176.3)

糖尿病患者はコントロールよりも致死的心臓血管の転帰が少なく、特に、2型では約 40%と大きく減少している。逆に、疾患としては重症である1型糖尿病患者の減少は約26%で、減少率は2型よりも少なかった。

日本の医学界は、この結果をどのように受け止めるだろうか。

出典文献
Mortality and Cardiovascular Disease in Type 1 and Type 2 Diabetes
Aidin Rawshani, Araz Rawshani, Stefan Franzén, Björn Eliasson, Ann-Marie Svensson, et al.,
N Engl J Med 2017; 376:1407-1418April 13, 2017DOI: 10.1056/NEJMoa1608664

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