VD3とカルシウムサプリメントは高齢女性の癌リスクを減少させない [栄養の話題]

健康な閉経後女性を対象にした無作為化二重盲検プラシーボ対照試験の結果、ビタミン D3とカルシウムの補充は全てのタイプの癌の発生リスクを減少させなかった。

参加者は、2303 名(55 歳以上, 平均年齢65.2 歳 [SD、7.0])。

治療群1156名(2000 IU/d of vitamin D3 and 1500 mg/d of calcium)、プラシーボ群 1147名。

主要評価項目は、カプラン・マイヤー生存分析、コックス比例ハザードモデルを用いて評価。非黒色腫皮膚癌を除く、全てのタイプの癌の発生率について4年間フォロー アップ。

血清 25-ハイドロキシビタミンD の平均レベルはベースラインで32.8 ng/mL、1 年後、治療群は43.9 ng/mL、プラシーボ群は31.6 ng/mL。

新規の癌発生者は、治療群45 (3.89%)、プラシーボ群64 (5.58%)。差は1.69%(95% CI, −0.06% to 3.46% ; P =0 .06)。

4年以上における“Kaplan-Meier incidence”は、治療群 0.042 (95% CI, 0.032 to 0.056)、プラシーボ群0.060 (95% CI, 0.048 to 0.076 ; P = 0 .06)。

未調整の Cox 比例ハザード回帰でハザード比 0.70 (95% CI, 0.47 to 1.02)。

研究に関連する有害事象として、腎結石が治療群で16名、プラシーボ群では10名。高血清カルシウム濃度が、それぞれ6名、2名。

低ビタミンD が癌発生リスクを高める可能性があるとの考えから実施された研究ですが、結果は否定。

ついでに言えば、閉経後の高齢女性における骨粗鬆症や骨折予防にも、ビタミンDやカルシウムの補充は効果が無い。

出典文献
Effect of Vitamin D and Calcium Supplementation on Cancer Incidence in Older Women
A Randomized Clinical Trial
Joan Lappe, Patrice Watson, et al.,
JAMA. 2017;317(12):1234-1243. doi:10.1001/jama.2017.2115

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