中枢神経系結核治療には好中球が分泌するMMP 9 抑制がカギとなる [医学一般の話題]

中枢神経系結核 (CNS-TB)に対して、デキサメタゾンなどの治療は死亡率は減少させるものの、しばしば起こる重度の神経学的損傷の予後は改善できない。

この壊滅的な感染症の host-drivenには、LTA4 遺伝子型などの生得的な宿主因子が関与するとともに、過剰なホスト免疫反応によって駆動する好中球が分泌するMMP 9がカギとなる。好中球は、M.tb 感染症や CNSTBの単球依存ネットワークに応えて MMP 9 を分泌する。このMMP 9 を中和することによって、BBBの基底膜主成分である IV 型コラーゲンの破壊に起因する好中球が分泌するMMP 9が抑制される。

デキサメタゾンは部分的に MMP 8 を抑制するが、MMP 9の分泌には影響しなかった。

Nf-kbの抑制によって、直接感染症や単球依存ネットワークにおいて好中球の MMP 9 分泌は減少する。

.抗サリドマイドIkBはキナーゼ活性を抑制することによって NFkBを阻害するため、CNS-TBの治療に使用されるが、催奇形性や末梢神経障害などの副作用により治療用としては問題がある。

グルココルチコイドはCNS-T治療として確立された補助剤であり、IkB合成の誘導を介して Nf-kb の活性を阻害する。その他のメカニズムとしては、炎症反応とMMPを減少させる。

好中球の暴走は敗血症の重症化の主因でもある。免疫は“諸刃の剣”であり、感染源そのものよりも自身にダメージを与えるため、自己免疫疾患のみならず多くの難治性疾患の病状の原因となる。鍼治療を長い年月行っているが、炎症を確実に抑制できるような刺法やポイントが確率できるのか、不可能なのか、模索は続けているが、、、。

免疫は複雑過ぎてなかなか理解できない。

出典文献
Catherine W. M. Ong, Przemyslaw J. Pabisiak, Sara Brilha, et al.,
Complex regulation of neutrophil-derived MMP-9 secretion in central nervous system tuberculosi.
Journal of Neuroinflammation, 201714:31 DOI: 10.1186/s12974-017-0801-1

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