幼児期の卵・ピーナッツ摂取はアレルギーリスクが低い [栄養の話題]

幼児への食餌によるアレルギー食品導入のタイミングは、アレルギーや自己免疫疾患のリスクに影響を与えますが、その証拠は不十分です。 

この報告は、146の研究、204 タイトルから十分な証拠があった5 試験を抽出してメタ分析。

データソースは、MEDLINE, EMBASE, Web of Science, CENTRAL, および LILACS databases。 対象となった研究には介入試験と観察研究が含まれ、出生の年におけるアレルゲン食品導入のタイミングを評価し、アレルギー感作や自己免疫疾患を調査。

その内容は、喘鳴、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルギー感作、Ⅰ型糖尿病、セリアック病、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、若年性関節リウマチ。

生後4~6ヶ月で卵を導入した場合、卵アレルギーのリスク比は0.56でほぼ半減 (risk ratio [RR], 0.56; 95% CI, 0.36-0.87; I2=36%; P=0.009)。

生後4~11ヶ月でピーナッツを導入した場合、ピーナッツアレルギーのリスク比は0.29で、71%減少(RR, 0.29; 95% CI, 0.11-0.74; I2=66%; P=0.009)。

低確実性の証拠で、早期の魚の導入はアレルギー性鼻炎の低リスクに関連し、高確実な証拠として、グルテン導入のタイミングは、セリアック病リスクに関連しない。

この調査結果は、一般的な認識には問題があることを示していますが、遺伝的素因の有無による違いなどは、この文献の要約のみでは不明です。

一般的な常識の誤りは、以前に紹介した「木の実食品と発酵食品はアトピー性皮膚炎の悪化因子2014.8.1」、にも見られます。

出典文献
Despo Ierodiakonou, Vanessa Garcia-Larsen, Andrew Logan, et al.
Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease.
A Systematic Review and Meta-analysis.
JAMA. 2016;316(11):1181-1192. doi:10.1001/jama.2016.12623.

追伸
本ブログは休止中でしたが、その後も、「休止中の独り言」のカテゴリーでたまに投稿していました。
この度、3冊目の出版もできましたので、今後は興味深い文献などを少しずつ書くつもりです。

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