喫煙は男性の痛風リスクを低減すると報告 [医学一般の話題]

喫煙は、血清尿酸値を低下させることが示されていますが、痛風リスクへの影響は不明でした。「シンガポール中国健康調査」において、喫煙及び痛風リスクとの関係を調査した前向きコホート研究で、現在の男性喫煙者は前者と非喫煙者よりも血清尿酸が有意に低く、痛風リスクも減少したと報告されています。

参加者は、1993年から1998年にかけて募集した63,257名(45~74歳)。コックス比例ハザードモデルによって分析。平均11.1年のフォローアップ(follow-up 1:1999-2004 and/or follow-up 2 interviews :2006-2010)後 、2,244名が痛風を発症。

男性の非喫煙者に比べ、現在の喫煙者では痛風リスクは27%減少(HR 0.73 ; 95% confidence interval;CI : 0.63 - 0.84)。

また、やせ形の喫煙男性は31%減少(HR 0.69; 95% CI ; 0.57-0.83)し、肥満の喫煙男性の13%(HR 0.87; 95% CI = 0.67-1.13)に比べて、よりリスクは低減しましたが、統計的には有意とまでは言えませんでした (p for interaction 0.09)。

喫煙本数による痛風リスク低減の違いは、1日あたり12本 0.77 (95% CI 0.63-0.95)と、23本以上 0.76 (95% CI 0.58-0.99)では差はありませんでした。

喫煙の期間では、喫煙歴20年以下で69%(HR 0.31, 95% CI 0.14-0.70)と大きく減少しましたが、40 年以上では32% (HR 0.68, 95% CI 0.54-0.86)の減少で、あまり長期間ではリスク減少も少ないようでした。

一方、女性では、喫煙と痛風リスクとの間に関連性は認められませんでした。

出典文献
Gim Gee Teng, An Pan, Jian-Min Yuan, Woon-Puay Koh,.
Cigarette smoking and risk of incident gout in the Singapore Chinese Health Study
Arthritis Care Res 2015; DOI: 10.1002/acr.22821.

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