悪法に守られた輸出大企業 [らくがき]

消費税法7条:本邦から輸出として行われる資産の譲渡又は貸付については消費税を免除する。

この法令は、国内で流通する製品には課税されるが、その製品が輸出品である場合には税金が免除され、尚かつ、流通過程で発生した消費税についても生産業者に還付金として返納されるというもの。

この還付金は半端な額ではない。輸出割戻し税として、輸出大企業上位10社でに消費税7,837億円が還付(2015年度、税率8%で1.8倍)還付されている。この還付金は、あのトヨタ自動車1 社で2,594億円にもなります。

消費税率アップを経団連が主張するの動機がここにあります。あの連中が、消費税を上げるべきなどと主張することの裏にある真実。

私が知る範囲で少し説明します(間違いが有ればご教授下さい)。

「輸出免税」といわれる規定は、GATTにより規定された消費地課税主義を根拠にしていると言われている。海外の消費者に、国内の消費税を負担させられないこと、また、輸出企業の価格競争力を阻害しないためとも言えます。

つまり、輸出の売上げは課税対象でも、消費税は免除されるということ。しかし、問題はこれだけではありません。

還付の仕組み

輸出の売上げを当てはめてみると、ある輸出企業AがBという企業から商品を1050円(消費税込み)で仕入れて、海外に2000円で輸出したとする。課税売上げは2000円だが、消費税は免除されているので、売上に係る消費税額は0円です。課税仕入は1050円ですから、課税仕入に係る消費税額は50円です。

ここからが問題です。消費税の納税額は「0円-50円=-50円になります。その結果、50円が輸出企業Aに還付されます。これが、輸出企業に消費税が還付される仕組みです。

 また、輸出取引の場合、国庫に一旦入った税金(上記の例ではBが納付する消費税)が、国庫から輸出企業に還付金として出て行くこになります。その結果、国庫には1円も入らないのです。この仕組みが、他の国内の取引と大きく違うところです。正に、強者のための税制と言えます。

トヨタの様な巨大企業の場合、中小下請け企業からの仕入代金の価格決定権を事実上もっていますので、上記のような取引において、1050円の仕入代金から消費税分を差し引いた1000円に値引きすることもあるでしょう(強引に)。この場合でも、輸出企業には約47円の還付金が入ることになります。このような還付金は、その実態は「輸出助成金」とも言えます。

消費税の税率アップを経団連が平然と主張できる、本当の理由が此処に有るのではないでしょうか。実体として、消費税は経済的弱者から強者への所得移転を促す大企業(輸出)優遇の税制と言えます。

未熟な知識ですので、間違いが含まれている可能性は有ります。しかし、以前より納得できませんでしたので、「トヨタ」の記事に触発されて書いてみました。

* 参照:消費税の非課税取引について
1 土地の譲渡、貸付けなど
2 社債、株式等の譲渡、支払手段の譲渡など
3 利子、保証料、保険料など
4 郵便切手、印紙などの譲渡
5 商品券、プリペイドカードなどの譲渡
6 住民票、戸籍抄本等の行政手数料など
7 国際郵便為替、外国為替など
8 社会保険医療など
9 社会福祉事業など
10 学校の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費など
11 お産費用など
12 埋葬料、火葬料
13 身体障害者用物品の譲渡、貸付けなど
14 検定済み教科書等の譲渡
15 住宅の貸付け

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