僧帽弁置換術は機械的弁で再手術率高くバイオ人工弁は脳卒中リスクが高い [医学一般の話題]

僧帽弁置換における、バイオ人工僧帽弁置換と機械的な人工弁置換後の生存と主要な罹患率を定量化して比較する目的で実施された15年間の後ろ向きコホート研究の結果では、生涯リスクを評価するには不十分でした。

1997~2007までに、僧帽弁置換を受けた3433名の患者(50~69歳)を 2013年11月30日までフォロー(期間の中央値は8.2年, 0~16.8年)。傾向スコアマッチングによって664患者のペアを生成。

機械的な補綴後209名、バイオ人工僧帽弁では221名が死亡。数理計算上の15年生存率は、それぞれ57.5% (95% CI, 50.5%-64.4%)、59.9% (95% CI, 54.8%-65.0%)。ハザード比 [HR], 0.95 [95% CI, 0.79-1.15], P=0.62)で全く差は無し。

15年間の累積再手術は、それぞれ47名(11.1% [95% CI, 7.6%-14.6%])vs 28名 (5.0% [95% CI, 3.1%-6.9%])、HR, 0.59( 95% CI, 0.37-0.94)で、機械的な弁が41%低く、15年間の累積出血イベントでは、それぞれ72 events(14.9% [95% CI, 11.0%-18.7%) vs 49 events( 9.0% [95% CI, 6.4%-11.5%])。HR, 1.50( 95% CI, 1.05-2.16)で、機械的な弁が50%高くなりました。

どちらの方法が良いかは単純には決められません。また、フォロー期間が短いため、長期間の評価には不十分です。前向きに介入試験を行うべきです。

出典文献
Chikwe J, et al.,
Survival and outcomes following bioprosthetic vs mechanical mitral valve replacement in patients aged 50 to 69 years
JAMA 2015; 313(14):1435-1442.
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