新生児低酸素性虚血性脳症に対する32.0℃120時間の冷却で死亡率増加 [医学・医療への疑問]

中等度または重度の低酸素性虚血性脳症の新生児に対し、72時間、33.5℃の低体温療法で死亡または身体障害を44~55%軽減できるとされています。さらに、長時間のより低い冷却は、動物モデルにおいては神経保護的です。

この研究では、32.0℃120時間の、より低い温度による長時間の冷却効果を比較検討しました。結論では、効果は無しと述べられていますが、むしろ死亡率は増加しています。

研究デザインは、無作為化、2×2要因デザイン臨床試験。小児保健のユーニス・ケネディ・シュライバー国立研究所と人間開発 (NICHD)の新生児研究ネットワークの18センターにおいて、2010年10月から2013年11月にかけて実施。

33.5℃72時間、32.0℃72時間、33.5℃120時間、および32.0℃120時間の4群に割り当てて介入。

新生児集中治療室(NICU)における死亡

・33.5℃72時間: 7/ 95 (7%)
・32.0℃72時間: 13/90 (14%)
・33.5℃120時間:15/96 (16%)
・32.0℃120時間:14/83 (17%)

*より長くより低い体温で、死亡率は増加しています。

120時間と72時間群を比較した 調整リスク比は、1.37 (95% CI, 0.92-2.04)で、より長時間で37%増加。

32.0℃と33.5℃の比較でも、リスク比は1.24 (95% CI, 0.69-2.25)と、より低温で24%増加。

出典文献
Seetha Shankaran, Abbot R. Laptook, et al.,
Effect of Depth and Duration of Cooling on Deaths in the NICU Among Neonates With Hypoxic Ischemic Encephalopathy
JAMA. 2014;312(24):2629-2639. doi:10.1001/jama.2014.16058.

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