掌蹠膿疱症と胸の痛み [症例参照]

運動と圧迫によって悪化する、前胸部痛の患者。左足と手のひらに複数の膿疱を認めた。

血液分析、胸部X線、心電図、梅毒検査、HIV、膿疱の細菌培養、および免疫学的検査は全て正常。放射性同位元素によるスキャンで、胸鎖関節と第1胸肋関節に強い活性が示され、「滑膜炎、にきび、膿疱症、骨化増殖症、および骨炎(SAPHO)症候群」と診断。

非ステロイド性抗炎症剤、およびメトトレキサートの治療で臨床的改善。

SAPHO症候群は、主に前胸壁の骨関節症状と、掌蹠膿疱症、および重度のにきびなどの、種々の皮膚科的症状によって特徴付けられる病気です。以前に、女優(名前は忘れましたが)さんで、なかなか正確に診断されず、この病気で苦しんでいた方がおりました。しかし、そんなに診断に苦慮する病気ではないはずですが、、、。

(図は削除しました。)

補足
掌蹠膿疱症、胸肋鎖骨過形成症、IgA腎症、アレルギー性紫斑病などは、病巣感染症の仲間です。病巣感染症とは、身体のどこかに軽微な感染症があることで、原病巣とは無関係な遠隔の臓器に二次的に病変が現れる疾患群のことを言います。上記の疾患は扁桃病巣感染症で、扁桃を病巣とする自己免疫学的機序が深く関与しています。したがいまして、扁桃摘出術が有効であると言われています。 

出典文献
Palmoplantar pustulosis and chest pain
The Lancet, Volume 379, Issue 9827, Page e49, 5 May 2012 doi:10.1016/S0140-6736(11)61589-4Cite or Link Using DOIThis article can be found in the following collection: Published Online: 10 February 2012
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