下肢痛の起源診断の難しさ [腰痛関連]

腰部脊柱管狭窄症と変形性股関節症を合併した患者において、脊髄神経ブロックと股関節ブロックによって下肢の痛みの起源を決定することは困難であったと報告されています。

変形性股関節症では股関節周辺に疼痛が生じますが、腰椎疾患の患者でも下肢領域に放散痛や根性疼痛を感じます。疼痛の直接の起源を鑑別するには脊髄神経ブロックと股関節への局所麻酔を行います。

足の痛みを訴えていた患者で、脊髄造影またはMRI検査後脊髄造影、およびCT検査によって腰部脊柱管狭窄症と診断された420名について検討。その中の4例が変形性股関節症も合併。この症状はL5脊髄神経ブロック後に軽快しましたが、股関節へのリドカイン浸潤後では残りました。そこで、これらの4人の患者に、減圧と後側方固定術の手術を実施。

しかし、すべての患者が腰椎手術後に疼痛は軽快せず、6~12ヶ月後も改善しませんでした。これらの患者は、最終的に股関節全置換術を行った後に無症状となりました。

常識的には、上記ブロックは痛みの直接的な起源を知る唯一の方法です。しかし、このブロックで確認しながらも結果が有効ではなかったことは、下肢痛の起源を診断することの難しさを示すものと言えます。

Saito, Junya , Ohtori, Seiji , Kishida, Shunji, et al.
Difficulty of Diagnosing the Origin of Lower Leg Pain in Patients With Both Lumbar Spinal Stenosis and Hip Joint Osteoarthritis
Spine: 01 December 2012 - Volume 37 - Issue 25 - p 2089-2093
doi: 10.1097/BRS.0b013e31825d213d

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