肥満手術による2型糖尿病の予防効果とは [医学一般の話題]

肥満手術は通常のケアに比べ、肥満者の2型糖尿病予防効果に優れているとの報告があります(スウェーデン)。

2型糖尿病の予防のための減量は必要ですが、行動変容とその維持は難しいようです。この研究では、肥満手術の2型糖尿病予防効果を検討しています。

肥満手術を受けた1658名の患者と通常ケア1771名の肥満者について、非無作為化前向き対照研究。

肥満手術のコホートは、バンディング(19%)、垂直帯胃形成術(69%)、胃バイパス(12%)で、年齢は37歳~60歳、BMIは、女性で38以上、男性は34以上でした。最長15年までフォローアップ。

フォローアップ中に2型糖尿病を発症したのは、コントロール群で392名、手術群では110名でした。発症率(1000人当たり)は、 28.4 cases per 1000 person-years と 6.8 cases per 1000 person-years。肥満手術を行った場合の調整ハザード比は0.17(95% confidence interval, 0.13 to 0.21; P<0.001)と、約8割低下。

術後の死亡率は0.2%、合併症により90日以内に再手術を必要とした患者は2.8%でした。

尚、マッチングにもかかわらず、ベースライン特性は群間でいくつかの有意差がありました。対照群に比べて肥満手術群でベースライン時の体重が高く、危険因子はより顕著でした。 また、参加者の36.2%が途中でドロップアウトし、30.9%は15年間のフォローアップに達しませんでした。

以前に、アメリカの「abcNEWS」で、胃のバンディング手術による死亡について警鐘していましたが、、、。

Lena M.S. Carlsson, Markku Peltonen, et al.
Bariatric Surgery and Prevention of Type 2 Diabetes in Swedish Obese Subjects
N Engl J Med 2012; 367:695-704August 23, 2012

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0