慢性腎臓病の小児たちに腎毒性薬が過剰に処方されている [薬とサプリメントの問題]

腎毒性薬が、プライマリケア医師によって慢性腎臓病(CKD)の小児に高率で処方されていることが、大規模な人口ベースの研究で示されている。

フォローアップの平均3.3年間に一貫して、CKDの小児のおよそ26%に対して腎毒性を有する薬物が処方されていた。その内、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は17%を占めており、最も一般的に処方されていた。

1997年から2017年にかけて、英国臨床実践研究データリンク(CPRD)に参加する一般診療に登録された18歳以下のマッチングされた患者を対象とした、後ろ向き集団ベースのコホート研究。

主な分析対象薬は、アミノグリコシド、抗ウイルス薬、NSAID、サリチル酸塩、プロトンポンプ阻害剤、免疫調節剤など。二次分析は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびアンジオテンシン受容体遮断薬が含まれていた。処方率は多変数二項回帰を用いて計算。

1,535,816名の適格な患者から、1018件のCKDおよび4072件の非CKDを特定(平均年齢9.8歳, 男性52%, 平均追跡期間3.3年)。 CKDのある患者の26%と非CKD患者の15%がフォローアップ中に1つ以上の潜在的な腎毒性薬を処方されていた。腎毒性薬物処方の全体的な割合は、CKD患者の100人年あたり71(95%信頼区間[95%CI]、55〜93)、非CKD患者では、100人あたり8(95%CI、7〜9)。

薬物が腎毒性の証拠を有する薬物を含むように拡大した場合, 処方率はCKDの小児の71%。このカテゴリーにおいて、最も一般的に処方された2種類の薬物はペニシリン(57%)セファロスポリン(18%)。

著者らは、CKDを持つ小児の潜在的に腎毒性薬の処方を評価する最初の集団ベースの研究であると述べている。潜在的に、腎毒性薬はCKDの小児患者に高率で処方されている。使用は必要性から正当化されるかもしれないが、腎毒性薬への暴露は死亡率の高い末期腎臓病への進行に寄与する可能性があり、リスクの高い患者に対する処方において有害性に対する意識を高めるべきことは明らか。

出典文献
Primary care prescriptions of potentially nephrotoxic medications in children with CKD
Claire E. Lefebvre, Kristian B. Filion, Pauline Reynier, Robert W. Platt and Michael Zappitelli
Clinical Journal of American Society of Nephrology (CJASN)
Source Reference: Lefebvre CE, et al Clin J Am Soc Nephrol 2019; DOI: 10.2215/CJN.03550319.

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