抗-神経成長因子は骨格痛を有するマウスの身体活動を増加させる [薬とサプリメントの問題]

近年、神経成長因子(nerve growth factor;NGF)が炎症性・神経因性疼痛などに深く関与することが明らかになっており、抗 NGF療法(Anti–nerve growth factor;anti-NGF)がこれらの疼痛を減衰させることが示されている。

本研究では、大腿骨骨折後の痛みを持つマウスにおいて、抗 NGF治療によって活動性が10% - 27%増加したことから、抗 NGF治療は、これらの患者の痛みを軽減して活動を促進するのに有用である可能性があると述べられている。

アクティビティは、自動アクティビティボックスを使用して、昼夜におよぶ20時間の水平・垂直方向の活動、および移動速度の連続的記録によって定量化している。

NGFを標的とする抗体治療薬は、既に臨床治験が行われており、既存の治療薬が無効の多くの患者にとって福音となる可能性がある。しかし一方、以前の研究では、抗 NGF の使用による副作用として、進行性のOAが加速したとする報告もある。

NGFは神経栄養因子の1つで、神経の発生、生存、分化のための必須の物質であり、基本的には、神経細胞を守るための生体システムの一部であり、神経疾患に対する治療薬としての期待もある。

出典文献
Anti–nerve growth factor does not change physical activity in normal young or aging mice but does increase activity in mice with skeletal pain
Majuta, Lisa A, Mitchell, Stefanie A.T, Kuskowski, Michael A,Mantyh, Patrick W,
PAIN: November 2018 - Volume 159 - Issue 11 - p 2285–2295
doi: 10.1097/j.pain.0000000000001330

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