ライフスタイル介入は虚血性心疾患、脳卒中の死亡率に影響を及ぼさないと報告 [医学一般の話題]

集団レベルでの5年間におよぶ、生活習慣カウンセリングと体系的スクリーニングは10年間の虚血性心疾患および脳卒中の死亡率改善に効果は認められませんでした。

研究は、デンマークのコペンハーゲンにおけるコミュニティベースのランダム化比較試験。
参加者59, 616名(年齢30-60歳)を、介入群(n=11,629)と対照群(n=47,987)に無作為に割り付け、介入群は、5年間で4回までのカウンセリングとスクリーニング、およびリスク評価を実施。不健康なライフスタイルの参加者は、個別にベースライン時、1年、および3年後にでライフスタイルのカウンセリングを行い、事前に定義された基準に従って、虚血性心疾患のリスクが高い者は、、さらに、禁煙に関する相談、食生活など、身体活動ベースの6セッションを提供。 5年後に最終的なカウンセリング・セッション。

メインアウトカムは虚血性心疾患の発生率。セカンドアウトカムは、脳卒中、虚血性心疾患による死亡率。

ベースライン時における介入群の参加者は6091名(52.4%)。5年間追跡調査(59人が死亡し、54は移住)した5978名中適格者は4028名(67.4%)。10年間の追跡期間中に、合計3163名が死亡。

ベースライン時に虚血性心疾患の既往がなかった58,308名中、2,78名が虚血性心疾患を発症し、脳卒中の既往がなかった58, 940名中1,726名が脳卒中を発症。

介入は虚血性心疾患(P = 0.30グレイの試験)の発生率に影響を及ぼさなかった。 Cox回帰分析による、年齢および性別を調整した後のハザード比は1.03(hazard ratio 1.03, 95% confidence interval 0.94 to 1.13)。

ベースライン時に虚血性心疾患の既往歴を有する1308名についての補足的な分析でも、同様に、ハザード比1.04(hazard ratio 1.04, 0.95 to 1.13, adjusted for age and sex)で、差は認められませんでした。

セカンドエンドポイントでも、脳卒中0.98( 0.87 to 1.11; combined endpoint 1.01, 0.93 to 1.09)、総死亡率1.00(0.91 to 1.09)と、差はありません。

高リスク者へのライフスタイルのカウンセリングなど、個人に合わせた介入プログラムや体系的なスクリーニングは、この大規模な無作為化人口ベースの研究の結果、虚血性心疾患の発生率や死亡率を減らすことはできませんでした。

出典文献
Torben Jorgensen, Rikke Kart Jacobsen, et al.
Effect of screening and lifestyle counselling on incidence of ischaemic heart disease in general population: Inter99 randomised trial
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g3617 (Published 9 June 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g3617

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