腰椎終板病変は一般的に存在するとの報告 [腰痛関連]

 腰椎終板病変は腰椎椎間板ヘルニアを引き起こすなど、腰痛の原因として重要ですが、死体解剖による、病変の有病率を調査した研究で45.6%に認められたと報告されています。

 136人(平均年齢、52歳)の死体から、1148椎体終板(L1-S1)の形態的特徴を調査。終板は椎体の上下2枚ありますが、髄核の上側に多くオッズ比odds ratio = 8.0( P < 0.001)でした。また、侵食や石灰化病変は下部腰椎領域で比較的多く見られ、終板病変の所見と年齢には関連性がありました。

 終板は約1mmの厚さの軟骨層で、椎体のring apophysisによって囲まれた部分を覆っており、上下2枚の終板は髄核を覆っています。この終板(椎体の下側)に上からの加重によって骨折が生ずるこで、髄核が免疫細胞に曝されて自己免疫反応を引き起こします。この炎症反応により髄核は劣化し、やがて、髄核が脱出する椎間板ヘルニアを生じることになります。もう1つ、脱出する条件として、線維輪の放射状亀裂の形成があります。

 ついでに言えば、終板は硝子軟骨と線維軟骨の両者からなりますが、通常、硝子軟骨は椎体側に見られ、線維軟骨は髄核側に見られます。高齢者では、終板はほとんどが完全に線維軟骨となってしまいます。これは、線維輪のコラーゲン線維が終板に入り込むことによて形成されます。

Wang, Yue , Videman, Tapio, et al.
Lumbar Vertebral Endplate Lesions: Prevalence, Classification, and Association With Age
Spine: 01 August 2012 - Volume 37 - Issue 17 - p 1432?1439
doi: 10.1097/BRS.0b013e31824dd20a

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