絡脈の構造 (督脈の絡脈) [経絡とは]

 督脈の流注を簡単に説明しますと(督脈の稿を参照)、流注は大きく分けて3種類の流れがあります。1)子宮動脈を起点として、腹部大動脈より腎臓へ至る経路。2)足の太陽膀胱経と同一の領域を走行して頭頂導出静脈によって頭蓋内へ一端入り、後頭導出静脈にて外へ出て、後頭静脈、椎骨静脈を下り腎臓に分布する経路。3)会陰動脈より、胎生期の循環によって臍静脈より心臓を経由し、下眼静脈に結ぶ経路。この3種類の流れは全て連続し、循環させています。

 絡脈は、1)の内陰部動脈の末梢である中・下直腸動脈より、内・外痔静脈叢へと連絡して始まります。

流注
 「…(1)名ハ曰ク長強.膂ヲ挟ミ項ニ上リ.(2)頭上ニ散ル.(3)下リテ肩甲ニ当リ左右ニ.別レテ太陽ニ走ル.入リテ膂ヲ貫ク…」
流注解釈
 督脈の内陰部動脈の末梢の、中・下直腸動脈より内・外痔静脈叢へと連絡して、(1)尾骨先端の長強穴付近で正中仙骨静脈へ連絡し始まる。仙骨静脈叢を上り、後外椎骨静脈叢へと入り脊椎を挟み上り、(2)後頭静脈に進む。(3)下るものは肩甲間部で肋間静脈叢の背枝で左右に分かれて太陽の領域に進む(この部分は督脈と共通)。後外椎骨静脈叢より後内椎骨静脈叢へと入り脊椎を貫く。

 この絡脈は主に、脊柱管内外の血管網の内の、外後側を結んで想定したものと推測しました。

督脈の絡脈の流注図
img044.jpg

追伸

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