腰痛への早期理学療法の効果は通常ケアと同等 [腰痛関連]

腰痛(LBP)患者に対する、早期の理学療法が通常のケアよりも効果的であるかを評価した研究で、1年間のフォローアップで統計的には有意差はありましたが、その差に臨床的な意味があるとは言えませんでした。

研究デザインは、無作為化臨床試験。対象者は、過去6ヶ月間にLBPの治療を受けていない患者220名(2011年3月2013年から11月までに募集, 18 ~60歳, 平均37.4歳[SD、10.3])。条件として、オスウェストリー障害指数( ODI score )20点以上、症状の持続期間16日未満、過去72時間に膝の症状が無い。

すべての参加者が教育指導を受け、早期の理学療法として108名が4物理療法セッション、112名が通常ケア(?)のみに割付けられました。

プライマリアウトカムおよび評価は3ヶ月間のODIスコアの変化(range: 0-100; 高スコアほど障害大, 最小の臨床的に重要な違いは6ポイント)。セカンダリアウトカムは、4週および1年間のフォローアップによる、疼痛強度の変化、疼痛Catastrophizingスケール(PCS)スコア、恐怖回避欲求、QOL、成功の患者報告、およびヘルスケアの利用を評価。

最終的に、207名の参加者(94.1%)が1年間フォローアップ。3ヶ月後、早期の理学療法グループは平均ODI scoreは、ベースラインの41.3 [95% CI, 38.7 to 44.0]から6.6 [95% CI, 4.7 to 8.5]に改善。

一方、通常ケアグループでは、同様に、40.9 [95% CI, 38.6 to 43.1]から9.8 [95% CI, 7.9 to 11.7]。群間差は-3.2 ([95% CI, -5.9 to -0.47], P=0.02)。

4週後の群間差は、-3.5 ([95% CI, -6.8 to -0.08], P=0.045])。1年後では、-2.0 [95% CI, -5.0 to 1.0], P=0.19)と差は減少。

疼痛強度も、群間差は、 4週後-0.42 [95% CI, -0.90 to 0.02]、3ヶ月後-0.38 [95% CI, -0.84 to 0.09]、1年後-0.17 [95% CI, -0.62 to 0.27]で、差は無し。

PCSスコアでも、 4週後-2.7 [95% CI, -4.6 to -0.85]、3ヶ月後-2.2 [95% CI, -3.9 to -0.49]、1年後-0.92 [95% CI, -2.7 to 0.61]で差は無く、全ての時点で、ヘルスケアの利用にも差はありませんでした。

要約には,物理療法や通常ケアの具体的な記述はありませんので、詳細は不明です。無作為化臨床試験の結果であり、研究の質は高いと言えます。しかしながら、両グループ間のスコアの差は統計的に有意であっても、その差はわずかで臨床的に意義があるとはとても言えません。

出典文献
Julie M. Fritz, John S. Magel, Molly McFadden, et al.,
Early Physical Therapy vs Usual Care in Patients With Recent-Onset Low Back Pain
A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2015;314(14):1459-1467. doi:10.1001/jama.2015.11648.

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