慢性断続的低気圧低酸素前処理によるコラーゲン誘発関節炎保護効果 [免疫・炎症]

慢性断続的低気圧低酸素症(CIHH)の前処理は、ラットにおけるコラーゲン誘発関節炎(CIA)に対して保護効果を有します。この研究は、その効果の免疫学的メカニズムを探求したものです。

コラーゲン誘導関節炎(CIA)の発生率は、CIHH + CIA群は4/20(20%)でしたが、CIA群では14/20(70%)と、CIHH群で有意に低くなりました (P<0.05)。

CIAラットはCIHH前処理ラットと比較して、足の厚みと関節炎指数(AI)有意に高く、体重には差はありませんでした。

CIAラットの足の厚みは、コラーゲン注射前の6.08±0.10mmから、注射後には8.66±0.44mm(P <0.05)へと増加しましたが、CIHH + CIAラットでは増加しませんでした(P <0.05, 図2-b)。

AI値は、、CIAラットではコラーゲン注射後14日目に有意に増加(P <0.05)しましたが、CIHH + CIAラットではほとんど増加しませんでした(P <0.05, 図2-c)。

・CIHH + CIAラットの関節滑膜組織における炎症性浸潤を伴う過形成は、CIAラットに比べて軽減。
・CIHH + CIAラットにおける、TNF-α、IFN-γ、IL-4および関節および血清の滑膜組織におけるIL-17は、CIA ラットと比較して減少(P <0.05)。
・CIHH + CIAラットのCD4陽性Tリンパ球および末梢血におけるCD4 / CD8 Tリンパ球の比率は、CIAラット より低値(P <0.05)。
・CIHH + CIAラットにおける関節の滑膜組織におけるHIF-1αおよびNF-κBのタンパク質発現は、CIAラットと 比較して減少(P <0.05)。

CIHH前処理は、HIF-1αとNF-κBのダウンレギュレーション、炎症性サイトカインであるTNF-αおよびIL-17の阻害、CD4 / CD8およびTh1 / Th2のTリンパ球のバランスを介して、ラットにおけるコラーゲン誘発関節炎に対する保護効果を発揮することが示唆されました。

出典文献
Min Shi12, Fang Cui1, et al.,
The protective effects of chronic intermittent hypobaric hypoxia pretreatment against collagen-induced arthritis in rats
Journal of Neuroinflammation 2015, 12:23 doi:10.1186/s12950-015-0068-1

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