アルツハイマー病遺伝子はCOVID-19の高リスクに関連する [医学一般の話題]

英国バイオバンクのデータ分析から、アルツハイマー病の最も一般的な遺伝的危険因子であるAPOE4対立遺伝子の2つのコピーを持っている英国人は、COVID-19コロナウイルスの陽性反応のリスクが著しく高かく、2倍以上(OR 2.31, 95% CI 1.65-3.24, P=1.19 x 10-6)であったと報告されている(reported David Melzer, MBBCh, PhD, of the University of Exeter in England, and colleagues.)。

ほとんどの人は、アルツハイマー病のリスクに中立である2つのAPOE3対立遺伝子を持っている。ヨーロッパの祖先の人々において、APOE4の2つのコピーを持つ人は、APOE3の2つのコピーを持つ人々よりもアルツハイマー病を発症する可能性がほぼ15倍高い。

COVID-19の検査を受けたのは、APOE3ホモ接合体(401)と APOE4ホモ接合体(37)。

高血圧症(OR 2.41、95%CI 1.56-3.74)、冠状動脈性心臓病(OR 2.43、95%CI 1.69-3.50)、および2型糖尿病(OR 2.51)の患者を除外した後も、COVID-19陽性リスクは依然として高かった(95%CI 1.77-3.55)。

研究には限界があるものの、調査結果は重要である。APOE4がアルツハイマー病のリスクを高める理由に関する最近の研究では、APOE4が免疫系に関与していることを示している。

フランスやイタリアなど、ヨーロッパの人々におけるCOVID-19感染症の致死率の高さは生活習慣の違いなどだけでは説明できず、生物学的要因が隠されていると予想される。APOE4とCOVID-19の関連性は興味深い知見と言える。

出典文献
Is Alzheimer's Gene Tied to Higher COVID Risk?
— U.K. Biobank data assesses coronavirus test data by genotype
by Judy George, Senior Staff Writer, MedPage Today May 26, 2020

Primary Source
APOE e4 genotype predicts severe COVID-19 in the U.K. Biobank community cohort
Kuo C-L, et al.
Journal of Gerontology: Medical Sciences 2020; DOI: 10.1093/gerona/glaa131.

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